12日目は朝乃山の上位初挑戦であった。でも、12日
目は遅すぎた。この後いかに取組編成してもあと３
番が限界である。
そして上位初挑戦の対戦相手は大栄翔である。優勝
争いを優先するなら１敗照ノ富士か２敗霧馬山であ
ろう。先場所10連勝した翠富士が優勝戦線トップの
大栄翔と対戦したのは14日目であった。その時は大
栄翔２敗、翠富士３敗で追いかける立場で盛り上が
らない一番となった。
さて、朝乃山が大栄翔に勝つには
１.組み止める
２.大栄翔の勢いを突き落としでそぐ
などが考えられる。
実際の相撲はこう展開した。大栄翔が果敢に突き立
て出足も伴って一気に向こう正面に朝乃山を押し出
した。朝乃山はないもできなかった。大栄翔の完勝
であった。
１敗照ノ富士は若元春と対戦した。昨年の七月場所
では若元春が食い下がって健闘した。今場所の相撲
は次のようになった。立ち合い左四つ、互いに上手
が取れない。若元春が右上手を引いて出るが、東土
俵で照ノ富士が下手投げで土俵下へなだれ込んだ。
照ノ富士のしのぐ力が発揮された一番となった。
２敗の霧馬山は大関貴景勝と対戦した。立ち合いか
ら四つになった霧馬山の楽勝となった。霧馬山の強
さより貴景勝のもろさが気になった。今の貴景勝に
は立ち合いのあたり、押しの威力、二の矢の威力す
べて欠けている。貴景勝の今後の行方が気になる。
13日目は１敗照ノ富士と２敗朝乃山が対戦する。朝
乃山の上位挑戦第２弾である。これで
照ノ富士対貴影勝
照ノ富士対霧馬山
照ノ富士対大栄翔
のいずれかが組まれないことになった。取組編成の
まずさが露呈された。また後手になりすぎた。12日
目では遅過ぎる。取組編成のお粗末さは一向になく
ならない。力道山は言った。「ずう体はでかいが脳
みそは小さい」
