重量級大相撲になってうっちゃりとつり出しが消え
た、と言われた。それでも幕内ではどうにか見られ
る。栃ノ心はつり出しをたまに見せることがある。
昨年は3番あった。うっちゃりは決まらず、寄り倒
されることが多い。昨年うっちゃりは2番あって、
いずれも若元春であった。
実はこの2つ以外にも見なくなった技がある。それ
はけたぐりである。けたぐりは立ち合い一瞬相手の
足をけり、腕をたぐる奇襲技である。どういっても
勝てない相手に効果的である。ただし、失敗すると
相手に圧力をかける技ではないのでいっぺんにもっ
ていかれる恐れがある。
栃錦はおよそ繰り出さなかった技はなかった。けた
ぐりも3度出している。横綱東富士には3回まとも
にいって玉砕している。しかし、これは布石であっ
た。4回目の対戦で、東富士は「栃錦はまともにく
るな」と思わせてけたぐりを決めている。
けたぐり名人に海乃山がいた。けたぐりは幕内で25
度決めている。けたぐりで横綱大鵬に2度勝った。
2度目の時は殊勲賞を獲得している。大関北の富士
には3度勝ち、大関琴櫻にも勝っている。
今牛若と異名をとった藤ノ川豪人もけたぐりの名手
である。幕内で22度決めている。横綱北の富士、大
関琴櫻を倒している。ほかに二子岳が幕内で23度は
なっている。比較的新しいところでは時天空が17度
決めている。
横綱朝青龍が小結稀勢の里にけたぐりで勝ったこと
がある。横綱が使う技ではないと批判を浴びた。幕
内の取組では2017年五月場所で荒鷲が豪風に決めた
のが最後である。当分は幕内で見られない技になり
そうである。