年末になって事件が明るみになった。伊勢ヶ濱(元
旭富士)部屋でおきた幕下2力士による暴行事件で
ある。弟弟子に対して以下のことが行われた。
4月 腕立て用の補助具を角材として使い、頭部を
殴った
7月 腹部を数回殴打し、その後踏みつけた
8月 熱湯を背中にかけた
その結果
11月 被害者の親族から協会に相談があった。
列記すると、これはいじめではなく傷害である。弟
弟子がいうことを聞かなかったとか礼を失したとい
うのが理由だが、だからといってこうした手段にで
るのでは無法者とかわりない。そもそも幕下だって
養成員の身分である。偉そうにできる立場ではない。
何度も繰り返されるということは見逃されてきたこ
とになる。伊勢ヶ濱部屋では以前にも暴行事件があ
り、再び起きたことになる。といっても相撲界には
根強くそういう体質があり、厳罰によっておさえて
きた面がある。
幕下力士の名は伏せてあるが、相撲通なら誰である
か明白である。一人は主体的であり、引退した。形
の上では引退勧告の懲戒処分相当となった。もう一
人は1回で偶発的に追随してのことであった。被害
者に直後謝罪しており、2場所出場停止処分になっ
た。
また伊勢ヶ浜は理事を辞任し、受理された。これは
協会内部の処分である。だが、傷害罪が適用される
と裁判によって判決がくだされることになることを
忘れてはいけない。
協会は2月に研修をおこなうという。やらないより
はいい。柔術を柔道と改めた開祖嘉納治五郎は「精
力善用」、「自他共栄」をモットーとした。相撲界
も教育的見地からこの言葉を取りいれてもいいとき
にきている。