武蔵丸のもう一人の幕内50回対戦以上の相手は貴乃
花である。貴乃花の新入幕は平成2年五月場所であ
った。一度跳ね返されて再入幕は十一月場所であっ
た。武蔵丸の新入幕はその1年後平成3年十一月場
所であった。
初対戦は平成4年一月場所であった。ともに平幕上
位で貴花田が寄り切りで勝っている。この場所貴花
田は初優勝して日本中を熱狂させている。両力士は
初対戦から29場所連続対戦している。
関脇以下同士の対戦は武蔵丸の2勝5敗であった。
平成5年三月場所、貴花田は大関となり、貴ノ花に
改名している。関脇武蔵丸対大関貴ノ花は3勝3敗
の五分であった。貴ノ花の大関昇進から1年後、武
蔵丸が大関になった。大関同士の対戦は武蔵丸の1
勝4敗であった。
大関武蔵丸対横綱貴乃花戦は武蔵丸の6勝18敗であ
った。武蔵丸にとって貴ノ花はなかなか勝てない存
在であった。横綱同士の対戦で7勝3敗と初めて勝
ち越した。
平成13年14日目の武双山戦で貴乃花は致命的な負傷
をした。千秋楽は負傷のなかで本割で武蔵丸に敗れ
た。だが、優勝決定戦では上手投げで武蔵丸に勝利
した。その瞬間貴乃花は鬼の形相であった。出場の
代償は大きかった。翌場所から貴乃花は7場所連続
全休した。
平成14年九月場所が最後の一番となった。寄り切っ
て武蔵丸が勝利した。貴乃花はその2場所後に引退
した。通算は武蔵丸の19勝33敗だった。優勝決定戦
は武蔵丸の4敗だった。武蔵丸にとって貴乃花は、
たちふさがる強敵であった。