今場所は結局千秋楽、13日目、14日目、8日目の順の
お客さんの入りになった。14日目は多くの休場力士を
出したことが影響した結果になった。と思ったらなん
と千秋楽まで引きずってしまった。
三段目で北勝丸が出場し、八角(元北勝海)理事長が
千秋楽のご挨拶をしながら、幕内で北勝富士、隠岐の
海が休場してしまった。八角部屋のコロナ感染が発覚
したのだ。八角理事長は幕内優勝の表彰式を欠場して
陸奥(元霧島)事業部長が代行する仰天ハプニングと
なってしまった。
3敗逸ノ城、照ノ富士で迎えた千秋楽。両力士とも
前日もろくも負けているから比較的肩の力を抜いて
観戦した。逸ノ城の対戦相手は7勝7敗の宇良。しぶ
とく、何を繰り出すかわからない。だが、立ち合い
逸ノ城は左上手を素早くがっちり引いて胸を合わせる
体勢になった。宇良低く構えるも逸ノ城上手から引き
つけ寄り立てると勝負あった。逸ノ城は照ノ富士の
結果待ちとなった。
結びの一番照ノ富士は大関貴景勝と対戦した。両力士
あたり合ったあと、貴景勝右に動いて揺さぶる。その
後力相撲の突き押しの激しい応酬となり、照ノ富士が
正面土俵足を踏み出した。あっけない決着となった。
これで逸ノ城の初優勝が決定した。
千秋楽もう一人注目していた力士がいた。大関正代
である。正代は9勝5敗であった。現在8場所連続1ケタ
勝利中であった。しかも3場所は負け越しであった。
この記録に終止符を打つか否かがかかっていた。運命
の対戦相手は若隆景。正代は気迫ある相撲で若隆景を
はたき込んだ。10勝を果たし、大関の面目をようやく
保った。
正代が勝ち越した段階でよくやったというのは本来
おかしい。それは関脇以下の力士にいうことだ。大関
は協会の看板である。責任ある地位である。ここの
ところをはき違えてはいけない。
コロナ感染で部屋ごと休場が多発し、揺れた本場所は
ようやくなんとか終わりを迎えた。