名古屋は雨が降り、いくぶん気温はおさえられた。
それでも湿度のせいか汗ばむ。天候のせいではない
だろうが、平日の前半は館内はがらがらである。七月
場所は当日売りがあるが、マス席の切り売りはある
のだろうか。また、通常開催になっても自由席はなく
なるのでは、というショッキングな見方を相撲仲間
から聞かされた。大相撲はどこへむかっているのか。
ただ、土俵の充実は大関陣の1日1勝2敗ペースでほど
遠くなっている。
その中で目を見張る相撲があった。貴景勝である。
対戦相手は大関戦7連勝中の琴ノ若である。今日の
貴景勝は気合い・闘志がまるで違った。真っ向からの
押しが炸裂。途中張り手も出して琴ノ若を圧倒した。
大関戦連勝中の琴ノ若にそうはいくかい、とばかりの
意地の相撲だった。貴景勝がこういう相撲をとって
いけば場所は面白くなる。
正代は連続10勝中の霧馬山と対戦した。相撲は四ツ身
の組み手争いとなった。そのなかから霧馬山が右から
の攻めで正代を横から後ろ向きにさせて送り出した。
正代は3連敗である。大関陣弱体の象徴のような存在
になってきた。正代は弱いのか、と問われればかなり
弱くなっているとしか言い様がない。それが今の正代
の現実を見据えた実力である。
照ノ富士は先場所敗れた隆の勝戦である。とはいえ
照ノ富士に苦手意識はないと思う。相撲は、隆の勝の
一の矢では照ノ富士をくずせない。離れての攻防の
展開となった。照ノ富士が腕をたぐる。四つ身で照ノ
富士有利かと思えば、隆の勝との投げの打ち合いで
照ノ富士ぐらつく。だが、投げの打ち合いは最後まで
粘った照ノ富士が制した。まったく予想しない流れの
熱戦になった。
七月場所、星の潰し合いから浮上するのは誰になるの
か。誰にでもチャンスはありそうだが、これは果たし
ていいことなのだろうか。