14日目正代、千秋楽阿炎、優勝決定戦若隆景
と3連敗し、優勝をのがした高安。優勝の
チャンスを土壇場でものにできなかった。
実はこれが初めてではない。これで3度目で
ある。
前回は2021年三月場所であった。高安は当時
小結であった。12日目を終え、2敗で単独
トップであった。ところがここからなんと
3連敗してしまった。
高安優勝待望論というのがある。高安よ、
とにかく何とか優勝してくれ、というのだ。
それが、どうも高安はここ一番に緊張する
のか、勝利に見放されている。
高安をみるにつけ、思い起すのが大麒麟で
ある。大麒麟はその前の名麒麟児の時から
柏戸キラーであり、その素質は高く評価され
ていた。だが、大関のチャンスを2度も逃す
など、ここ一番に弱かった。
大麒麟に改名後優勝のチャンスが訪れた。
昭和45年七月場所、千秋楽を迎え、2敗は
横綱北の富士、関脇前乃山、関脇大麒麟で
あった。千秋楽は前乃山と大麒麟が直接の
対戦となった。この相撲は前乃山が変化して、
体勢が泳いだ大麒麟を突いて出した。
結局、大麒麟は12勝が最高成績で3度ある
だけだった。高安も12勝が最高成績で4度
あるに過ぎない。ともに大事なところで勝て
ないという共通点がある。
大麒麟の時代は玉の海という盤石の横綱が
いた。やがて輪島、北の湖が台頭してきた。
そういう意味では今の高安のほうがチャンス
は大きいのかもしれない。