雨プラス底冷えの大阪。蔵前国技館に冷暖房
設備がなかった時代、時の時津風(元双葉山)
理事長は「熱戦で温まってくれ」と語った。
10日目は熱戦で温まったのだろうか。
1敗で優勝圏内の大関御嶽海が北勝富士に
あっけなく負けた。北勝富士の真っ向からの
寄りに抵抗することなく、踏みとどまるわけ
でもなくそのまま土俵をわった。責任ある
協会の看板力士のであるはずだが、それは
微塵もなかった。優勝争いをひっぱる立場に
ありながら、あっさり負けは印象が悪すぎる。
高安、琴ノ若が優勝するためには御嶽海戦は
避けられない。むろん若隆景も同様である。
そのときは大関の実力をいかんなく発揮して
彼らの壁になっていただきたい。
全勝高安の上位戦第1戦は小結豊昇龍と対戦
した。これが互いにゆずらぬ激しい攻防戦と
なった。とにかく動きが目まぐるしい。止ま
った時は高安が上手のいい位置を取った。
まわし不十分の豊昇龍を寄り切って全勝を
守った。
1敗若隆景は必死の相撲が続く。そもそも
若隆景が優勝争いにからんでくること事態が
予想できなかった。予想を超える大健闘で
ある。若隆景の気迫・闘志はこの日の対戦
相手阿炎を圧倒した。
さらに1敗琴ノ若は押しの大栄翔をはたき
込んで1敗を守った。
三月場所は全勝高安、1敗若隆景・琴ノ若、
2敗御嶽海と思いもよらぬ展開になってきた。