七月場所後、古い友人と会う機会があった。
改めて話し合ったのは、一代年寄問題である。
ご存知のように今年(2021年)の4月、大相
撲の継承発展を考える有識者会議が協会に
提言書を提出した。そのメインテーマが一代
年寄に根拠がなかったというものである。
しかし、2年間に11回も協議して一代年寄が
中心問題では、最初からこれが狙いと思われ
ても仕方がない。
もっと重要なテーマがあったはずである。
それは年寄株の問題である。年寄株の売買は
事実上公然と行われている。これは公益財団
法人に移行するときに禁止したはずである。
これが公益財団法人の条件でもあったはずで
ある。顧問料・指導料と名称を変えても実態
は変わらない。これをさしおいてなぜ一代
年寄が表立ったのか、はなはだ疑問である。
また、協会が協議することなく、有識者会議
の一代年寄を適用するなら、白鵬を対象外に
してからにすべきである。そうでないといか
にも白鵬を狙い打ちにしたとしか映らない。
そして白鵬を標的にするのなら、いかにも
姑息である。協会首脳が正面から堂々と論理
的に誰もが納得できるように説明すべきで
ある。第三者に言わせることではない。
白鵬にはこれまで確かに様々な問題があった。
しかし、人間には功罪というものがある。
たたいてほこりのでない人間なんているのか。
一人横綱として、大相撲冬の時代を支えて
きたのは白鵬である。その結果、野球賭博後
の翌場所と八百長発覚後の場所は賜杯も各
企業・各国の表彰もなかった。こんな寂しい
優勝を2度も経験しているのは白鵬だけなの
である。
一代年寄は功労金代わりという意味合いが
あって生まれたものである。単になくせば
済むモノではない。
台風接近か。
興味深いテーマをこれからもお届けします。