初日こそ4大関がそろって勝利したが、早く
も2日目に大崩れに崩れた。朝乃山は連勝
している明生と対戦した。朝乃山は勇んで
出ていくが、明生が右からすくうといかにも
軽く、重心が浮き上がった。明生はそこを
ついて押し出した。朝乃山に残り腰はなく、
西土俵を割った。朝乃山はこんなに軽い力士
だったのかと改めて驚愕した。
正代は先場所負けている若隆景である。四つ
相撲の正代だが、若隆景はうまく組ませず、
おっつけをまじえて攻め立てる。ついに正代
は向こう正面土俵でつまり土俵を割ってしま
った。正代はカド番だけに1敗は重くのし
かかる。早く白星をと思っても1日に1勝
しかできない。今後黒星が先行するようだと
ピンチである。
貴景勝はあたり、二の矢を残されるとなす
すべがない。御嶽海は実力者だけに勝ち目は
薄かった。今日の一番は貴景勝敗北の方程式
であった。実力負けであった。照ノ富士は
落ち着いて北勝富士の出足を止め、大関一人
勝ちとなった。
番付では大関は横綱に次ぐ地位に見える。
だが、横綱は特別な存在。大関にはかなり
差をつけている。大正15年にスタートした
優勝制度では横綱の優勝は289回ある。大関
は111回である。そのうち最高位大関の大関
優勝は38回に過ぎない。それだけに横綱に
次ぐ地位とはとてもいえないのである。横綱
には頭を抑えられ、関脇以下には突き上げら
れる。大関は受難の中間管理職なのである。
それでも大関は協会の看板力士であり、特別
待遇を受けている。責任はけして軽くないの
だが、成績がともなわないことが多い。2日
目の大関は一天にわかに掻き曇ってしまった。
これが続くのか、断ち切るのか、今後が問わ
れる。
番組表通りにいかないのが大相撲中継である。
興味深いテーマをこれからもお届けします。