★鶴竜が場所中引退を表明したが
あまりにも遅すぎた。ようやく引退したか
という印象である。横綱は休場しても地位は
落ちないが、同時に横綱の責任を果たさなけ
ればならない立場である。鶴竜に後者は無理
になっていた。横綱の特権だけを利用する
ようになった時点で引退にできなかったこと
は汚点を残すことになった。
★白鵬の休場について
2勝して白鵬は休場した。アリバイづくりの
出場だったのか。15日間戦うのはもう無理で
ある。七月場所に進退をかけるというが、
誰もひざの手術後のリハビリで復活できる
とは思っていない。晩節を汚すことなく身を
引くべきである。大鵬は4場所皆勤後の場所
で引退した。千代の富士は2場所連続休場後
の場所で引退した。いたずらに時間をかけて
どうこうなる状態ではない。決断の時はとっ
くにきている。
★優勝して大関復帰を決定的にした照ノ富士について
3場所36勝9敗で文句なしの大関昇進成績だ。
優勝はそれに花をそえた。12勝3敗の優勝
なら決定戦があったほうが望ましかった。
それがなかったということは、やはりどん
ぐりの背比べを証明した。ここ1年上位で
12勝以上あげたのは以下である。
七月場所 朝乃山12勝
九月場所 正代13勝 貴景勝12勝
十一月場所 貴景勝・照ノ富士13勝
一月場所 大栄翔13勝
三月場所 照ノ富士12勝
貴景勝と照ノ富士が2回登場するだけである。
連続優勝なしは16場所連続になった。
★大関に関して
横綱不在で大関が優勝できないのだから存在
価値を疑われる。朝乃山・貴景勝の10勝が
最高成績だった。正代にいたっては負け越し
てしまった。2場所連続負け越しで降格する
規定では緊張感が乏しいし、ぬるま湯である。
甘えが許されない規定に変更したほうがいい。
★関脇・小結について
大関に昇進する照ノ富士を別にすれば、高安
以外は8勝に終わった。活躍できなかった。
高安は最終盤3連敗して急速に失速した。
ただ、5人が勝ち越したことは大きい。先
場所に続いて関脇・小結が全員勝ち越した。
★三賞について
殊勲賞 照ノ富士
敢闘賞 明生・碧山
技能賞 若隆景
三賞は妥当な判断となった。今場所は若隆景
の成長が著しかった。これからの横綱・大関
との対戦は注目される。
★休場者数に関して
三月場所は横綱1人、休場後引退した横綱が
1人。ほかに琴勝峰、遠藤、宇良、千代の国、
豊山と7人出た。休場者数はなかなか減ら
ない。毎場所これくらいは出続けると思った
ほうがいい。
★場所の採点は
マイナスがはるかに多すぎる。60点。
最後に私製番付を掲載する。これは予想番付
ではない。番付は関脇以下を編成するもの。
基本関脇以下の成績をベースにした。ただし、
横綱・大関に勝った星は加えた。横綱・大関
と対戦する、しないではそれほど違うモノ
なのである。現在の番付は味噌もくそも一緒
にしている。霧馬山は7勝6敗、妙義龍は
7勝5敗、宝富士は3勝8敗になる。
場所中かなり暖かくなりました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。