千秋楽は見所の多い日となった。関脇隆の勝、
小結御嶽海・大栄翔が7勝7敗で千秋楽を
迎えたのである。ただし対戦相手は幕内中位
から下位の力士である。隆の勝には栃ノ心、
御嶽海には逸ノ城、大栄翔には明瀬山である。
栃ノ心、逸ノ城、明瀬山も7勝7敗である。
だが、勝負は実力どおり関脇隆の勝、小結
御嶽海・大栄翔が勝って勝ち越した。
本来なら4敗の高安は関脇の隆の勝と対戦
するはずだった。ところが4敗が第1位に
なる恐れが出てきたため、急遽4敗同士の
高安と碧山が組まれた。高安は大きい碧山
相手なので思い切っていけるとみた。立ち
合いは高安があたり勝って押し込むも碧山が
高安の首を押さえ込むようなはたきに高安は
たまらず土俵に手から落ちていった。
高安は土壇場で3連敗。一時は次点に2差を
つけ照ノ富士戦を終えていただけになんとも
しまらない終焉をむかえた。優勝争いのトッ
プがこんなにもろい崩れ方をしたのは珍しい。
4敗貴景勝対3敗照ノ富士戦が千秋楽の山場
である。貴景勝が勝つと第1位決定巴戦に
なる。優勝の名に値しないので4敗トップを
あえてこう書かせていただく。相撲は、貴景
勝があたり勝って押して出るが、照ノ富士
逆襲の圧力で白房下土俵に押し飛ばしてしま
った。
照ノ富士の3回目の優勝が決まった。3大関
を撃破しての結果である。関脇以下で3回の
優勝は初めてである。3場所通算36勝で大関
復帰は間違いなし。直前の場所を優勝で飾っ
た。
結びの一番、正代はついに千秋楽を7勝7敗
で迎えた。相撲は、朝乃山が右四つに組み
勝って上手投げで決めた。そのさい伊之助が
土俵下に転落して負傷。急遽玉治郎が土俵に
上がって勝ち名のりをあげるハプニングが
あった。
三月場所は関脇照ノ富士の優勝で幕を閉じた。
12勝3敗なら願わくは優勝決定戦があって
ほしかった。照ノ富士には1場所限りの強者
にならならずに、引き続き場所引っ張って
いく強者であっていただきたい。
知った顔を見かけた国技館でした。
興味深いテーマをこれからもお届けします。