3敗高安の14日目の平幕の対戦相手は誰に
なるかと思ったが、翔猿になった。動き回る
だけにいやな相手、取りづらい相手かもしれ
ない。だが、一緒に動き回るおろかさは13日
目の若隆景戦で学んだはずだ。がっちり捕ま
えてからじっくり寄り立てれば勝利はかたい
はずである。
相撲はあたり合って、翔猿が右へ動きながら
けん制し右おっつけ。離れて左四つ食い下が
らんとする翔猿。だがけん制から再び押し
合い探りあい。高安左四つに組み止め左かい
なを返して翔猿の右を万歳状態にした。両
まわしをがっちりとった高安万全の体勢を
つくる。翔猿右で高安の首をかかえ、右へ
まわる。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/03/210327十四日目幕内-935-e1616848079785.jpg)
翔猿がけ返しにいくところを高安が一気に
出て東土俵へ寄り立てる。土俵際高安が体重
をかけてもたれていくが、翔猿捨て身の首
ひねりで高安の左膝が先についてしまった。
物言いがついたが、高安は敗れついに4敗と
なった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/03/210327十四日目幕内-958-e1616848098595.jpg)
高安は万全の態勢になれたのだから、まわし
をひきつけ腰を落として寄ればよかった。
ところが高安は一気に寄って体重を預ける
相撲を取ったため、破綻が生じた。一時の
勢いは完全に失われ、暗澹たる結果をひき
ずることになった。
もう一人の3敗照ノ富士は13日目から大関戦
にはいっている。14日目は朝乃山戦である。
4敗中の朝乃山はどのような相撲を取るか。
照ノ富士をどう攻略していくか。そこが焦点
である。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/03/210327十四日目幕内-1226-e1616848117935.jpg)
相撲は、朝乃山がもろ手突きにいくが、照ノ
富士右四つにがっちり組み止めた。右かいな
を返し上手を与えない。照ノ富士も上手が
引けないなか、果敢に出るのは照ノ富士。
上手を引いて出ると朝乃山下手投げでまわり
込む。照ノ富士再び寄り立て、かいなを
返して青房下土俵で寄り切った。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2021/03/210327十四日目幕内-1278-e1616848136629.jpg)
目についたのは照ノ富士の強烈な強さだけ
だった。13日目といい14日目といい大関相手
に大関以上の強さを発揮した。照ノ富士は
単独3敗となった。大関復帰は確実となっ
てきた。さらに優勝とダブルになるか。千秋
楽は照ノ富士にとって重要な一番となる。
観客が戻ってきた国技館でした。
興味深いテーマをこれからもお届けします。