技の相撲というとかつては春日野部屋の伝統
であった。栃錦、栃ノ海、栃東と続いた。
技能賞の常連でもあった。時代は移り変わり、
現代は重量級大相撲全盛時代ある。パワー
相撲が目立ち、迫力がある反面、うっちゃり、
吊り出しはほとんど見られなくなった。また
ゲガをしたら長期化する恐れもでてきている。
そんななかで、技の相撲を展開するのが炎鵬
である。重量級大相撲では120キロでも小兵
になるが、炎鵬は99キロという小兵中の小兵
である。
大相撲で最も注目されるのは当然上位陣で
ある。ところが前半に炎鵬が土俵にあがると
観客は待ってましたとばかりに声援と拍手を
送る。最近あまり言われなくなってきた言葉
に「銭の取れる力士」がある。まさに炎鵬に
に「銭の取れる力士」がある。まさに炎鵬に
あてはまる言葉である。
今日の対戦相手は巨体の矢後である。過去
十両で1勝、幕内で1勝しているが、炎鵬に
とって楽に勝てる相手はいない。立ち合い
1度はあわず、2度目、炎鵬はもぐった。
だが、頭の位置が低すぎる体勢だった。相手
をおこせず、体重をかけられると苦しい。
勝負がながびけばなおさらである。
相撲には吸う息、吐く息、止める息がある。
技を仕掛けるのは相手が息を吐くときである。
炎鵬は低い体勢のまま、あざやかなかいな
捻りを決め、矢後の巨体を土俵にころがした。
炎鵬はこれで5勝1敗となった。先場所は
7勝2敗から6連敗しているだけに油断は
できない。7日目は輝戦である。炎鵬の戦い