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ジンクス!平幕優勝力士は大関になれない

「平幕優勝力士は大関になれない」という
ジンクスはまぎれもなくあった。大正15年
協会が優勝制度を設定してから8人、大蛇山、
山錦、綾櫻、出羽湊、備州山、時津山、玉乃
海、若三杉(のちの大豪)とことごとく大関
に到達できなかった。間違っていない。その
ジンクスを最初に破ったのが佐田の山であっ
た。佐田の山は大関どころか、横綱にまで
昇進した。
だが、佐田の山以降、平幕優勝力士で大関に
なった力士はしばらく出なかった。富士錦、
若浪、栃東、高見山、金剛。魁傑の場合は
元大関が平幕優勝したケースである。その後
多賀竜、琴富士、琴錦と大関に到達できなか
った。つまり佐田の山ただ一人の時代が長い
間続いたわけである。
佐田の山
<佐田の山>

2人目がようやく誕生した。貴花田である。

のちに貴乃花として横綱になり、一代年寄の
栄誉に輝いた方である。平幕優勝史上最も
到達した点が高かった力士である。親方に
なって突然協会をやめたのはいかにも惜し
まれる。
貴乃花
<貴花田>

その後、水戸泉、琴錦(2回目)、貴闘力と
続き、琴光喜が平幕優勝で3人目の大関に
なった。ただ琴光喜の場合は平幕優勝して
から大関に昇進するまで実に24場所かかっ
ている。その後野球賭博で協会を去ったのは
惜しまれる。このとき琴光喜をかばったのが
貴乃花親方だった。序ノ口からやり直しさせ
てはと提案したが、受けいれられなかった。
琴光A
<琴光喜>

4人目は記憶に新しいところで栃ノ心である。

栃ノ心の場合は大関に昇進したとたん、神通
力を失ったかのように不振に陥った。大関
陥落と復帰を経験した。栃ノ心が今後どんな
相撲をみせるのか。七月場所は注目である。
これまで朝乃山を含め、魁傑を除くと24人中
4人しか大関以上に昇進していない。最近は
平幕優勝力士の大関昇進は増えてきたとは
いえ、まだまだ少数派である。朝乃山が新た
な大関となるかどうかは今後の精進次第で
ある。
今週、足が棒になるほど歩きました。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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