★15日間満員札止めの盛況だった
前売りが売り切れたのが発売初日から3週間
ほどだから驚異的な人気である。場所は15日
間満員札止めとなるほど盛況だった。ただ、
ネットで高値販売するネットダフ屋及びにわ
かダフ屋がはびこっているとの指摘がある。
主催者権限で高値取引をサイトから削除すべ
きとの意見が、相撲ファンの間で出始めて
きている。ダフ屋に関して、相撲ファンは
怒っている。
★優勝した稀勢の里について
稀勢の里の優勝は期待しないほうがいいと
まで言われた時期があった。それほど期待を
そがれてきた。
稀勢の里は必ずしも万全の相撲ではなかった。
特に琴奨菊に1敗してからは慎重になった。
稀勢の里の優勝は取りこぼし=関脇以下の
敗北がなかったこと。特に思いがけない相手
に負ける傾向があっただけに大きかった。
白鵬が追いかける展開になったこと。モン
ゴル包囲網がくずれたことなどが、表面的
にはあげられる。
しかし、稀勢の里の優勝に関しては別な見方
をしたい。稀勢の里はがちんこ相撲一途で
取ってきた。愚直なまでのがちんこだから、
思いがけない敗北もあった。そんな生真面目
の稀勢の里を相撲の神様はけして見捨てなか
ったのではないだろうか。神様はいないと
思う方がいるかもしれない。だが、苦しくて
もがちんこを貫いた姿をじっと見ていて、
相撲の神様はそっと優勝を授けてくれたの
では。稀勢の里の優勝の表彰式をこの目で
見ていて、そんな思いにかられた。
★稀勢の里の横綱昇進について
メディアは横綱昇進決定で一色である。最近
5場所で61勝、1ケタ勝利はなく安定感は
ある。それを受けて横綱審議委員会は横綱
推薦を決定した。心配は年齢が30歳、今年
31歳になる点である。何歳までやれるか。
3年はがんばってほしい。横綱稀勢の里は
今後常に優勝争いをして、最低でも12勝を
あげていかなければならない立場になる。
★ほかの横綱・大関に関して
白鵬は衰えが目立ち始めた。日馬富士に取り
こぼしはつきものになったし、鶴竜は負け
すぎた。栃木山は言う。横綱は大関の倍稽古
しなければ務まらない。鶴竜、日馬富士、
豪栄道が休場して取組は寂しくなる一方に
なった。照ノ富士、琴奨菊は負け越しで、
3横綱、4大関は、実質1横綱、1大関で
あった。
★幕内上位陣について
今場所横綱・大関は関脇以下に31敗(不戦敗
含む)もした。随分気前よく負けたもので
ある。それだけに勝ち越しが4人出た。9勝
の玉鷲、11勝の高安、11勝の御嶽海、8勝の
勢である。玉鷲は9勝に終わったが、力強い
攻めが引き続き見られた。御嶽海と正代は
明暗を分けた。横綱・大関とフル対戦で初め
て勝ち越した御嶽海が、今後へ大きく踏み
出した。高安が白鵬を倒したとき、援護射撃
ではなく「自分のため」と答えたのがよかっ
た。「人のために相撲は取らない」と言った
のは玉錦である。その通りだと思う。
★三賞について
殊勲賞貴ノ岩は11勝の白鵬に勝っただけで
違和感を覚える。白鵬に勝った高安もいる。
2横綱に勝った御嶽海もいる。
★そのほか目についたのは
宇良は惜しくも十両優勝を逃したが、11勝を
あげて入幕を確実にした。豊響戦では反り
返って残し、天風戦ではたすき反りをみせた。
土俵の目撃者が前相撲から追いかけてきた
宇良の入幕は楽しみである。
★最後に場所の採点を
今場所は終盤にきて、休場の影響で取組が
寂しすぎた。また横綱・大関が負けすぎた。
救いは稀勢の里の初優勝である。以上から
50点。
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