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■四日目 値千金の粘力相撲

完全に勝ったと思った相撲をひっくり返される。
負けた力士はたまったものではない。しかし、見て
いる観客は信じられない土俵の光景にあっけに
とられ、次の瞬間最高の拍手をおくる。そんな相撲が
この日は見られた。

それはまず、幕下上位5番の最初の一番で実現した。
東、巨漢萬華城対西、小兵石浦戦である。東萬華城が
立ち合い張ったが、石浦は左まわしを取ってくい
下がる体勢をつくった。ところが萬華城は石浦の
左腕を両腕で抱え込んで一気に出た。石浦はたちまち
西土俵につまり、体も伸びきり勝負あったかに見えた。
ところが体勢がくづれながらもかろうじて右へまわり、
出し投げをはなった。勢いもあり萬華城はたまらず
土俵を割った。

次に幕内の東宝富士対西遠藤戦である。立ち上がるや
宝富士はすばやく右上手を取り、上手から引き付け
左へ寄り立てた。この攻撃に遠藤は上手も取れず、
東土俵へと詰まってしまった。これまでと思ったが、
遠藤捨て身の俵の上での左下手投げに両者土俵下に
倒れ込んだ。しかし、先に落ちたのは宝富士で
あった。遠藤の大逆転勝利であった。

恐るべき相撲への執念とかマムシと呼ばれた栃錦は
横綱羽黒山が上手投げをはなってから3つの技をくり
だしたエピソードをもつ(負けはしたが)。最後の
最後まであきらめない相撲は最高に面白い。
140115四日目幕内 522

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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