ここまで全勝できた豊昇龍。それだけに攻略する力士の工夫がみら
れるようになってきた。平戸海戦がそうだった。土俵際なんとか勝
った。9日目対戦する先場所優勝の琴勝峰にもそれは見られた。
琴勝峰は組んでは相撲にならない。向こう十分になられる恐れがあ
る。離れて突っ張って出た。これが効果を発揮し、豊昇龍は土俵際
まで追い詰められた。なんとかかわしてさばいた。豊昇龍は窮地の
なか全勝を守った。


1敗大の里は2敗若元春と対戦した。若元春は今場所初の横綱戦で
ある。突き合いから若元春のいなしで大の里一瞬後ろ向き。素早く
向き直るとパワーで圧倒した。
見せ場はあったが、大の里は好調である。横綱2場所目で精神的に
余裕が出てきている。悪い癖のはたきはみられない。強さという面
では豊昇龍より上かもしれない。

横綱・大関の対戦圏外では正代が1敗で浮上してきた。正代の1敗
は御嶽海によるものである。10日目は2敗の隆の勝と対戦する。上
位との対戦が予想される。安青錦戦はあるかもしれない。
全勝豊昇龍、1敗大の里・正代である。2敗安青錦・隆の勝・竜電
である。優勝は両横綱が有力かつ本命である。もつれれば安青錦に
もチャンスが出てくる。豊昇龍対安青錦戦は大一番になってきた。