優勝争いは佳境にはいってきた。残念ながら横綱・大関からは大の
里一人である。本来は最低二人が絡んだ争いが見たい。だが、今場
所も無理だった。
まず、2敗の高安が登場した。高安は関脇王鵬と対戦した。前日負
けているだけに連敗はできない。相撲は左四つで始まった。互いに
上手が取れない展開となった。探り合いのなかから高安が上手を引
いた。

寄り立て、土俵際で上手を離し、胸を押そうとした。だが、王鵬は
こらえて体が離れた。王鵬は土俵をまわり込んだ。高安が追撃し、
土俵を4分の3周ほどして最後押し出した。高安は終始落着いて相
撲を取った。
大の里対尊富士の2敗同士の対戦が組まれた。期待とは裏腹に大の
里はいきなり引きにいって最後はたき込んだ。まったく期待を裏切
る相撲内容だった。これは大の里の持ち味を生かした相撲ではない。
思いおこせば8日目一山本戦でも似たような相撲を取っている。

本人は危なげなく取っているつもりかもしれない。だが、傍目には
一本足で残す微妙な危うい流れである。結局、2敗同士の対戦は内
容のない相撲になった。その原因は大の里にある。これでは優勝し
ても横綱に直結させにくくなる。
2敗は高安と大の里の二人になった。最後に微妙な勝負になった御
嶽海対宝富士戦の写真を掲載しておく。物言いがついたが、御嶽海
の勝ちであった。
