大関はその弱体化が顕著になり、一人横綱照ノ富士
は休場が多くなり、存在感を示せなくなっている。
御嶽海の大関降格で横綱大関陣は3人となり、今や
質量ともに風前の灯火と化している。幕内上位陣の
ここ1年の成績はどのようになっているのか。それ
が以下である。なお、元大関御嶽海と高安はプライ
ドからこの表からはずした。
横綱に勝ち越している力士は4勝1敗の玉鷲、五分
が3勝3敗の大栄翔である。大栄翔には1不戦勝が
含まれている。いずれも照ノ富士キラーである。弱
体化した大関では、数字だけでは推し量りにくい。
そこで価値ある1勝という点に着目してみた。ここ
1年で11勝以上の横綱・大関を倒した力士をピック
アップしてみた。
21年11月貴景勝12勝3敗
○明生 阿炎 照ノ富士
22年1月照ノ富士11勝4敗
○玉鷲 明生 阿炎 御嶽海
同年3月御嶽海11勝4敗
○霧馬山 北勝富士 高安 琴ノ若
同年5月照ノ富士12勝3敗
○大栄翔 玉鷲 隆の勝
同年7月照ノ富士11勝4敗
○阿炎 逸ノ城 正代 貴景勝
同年7月貴景勝11勝4敗
○霧馬山 逸ノ城 阿炎 若隆景
阿炎が最多で4回登場している。照ノ富士・貴景勝
から2勝ずつあげている。しかし、阿炎は九月場所
全休し、幕内中位に番付を下げている。勝ち上がら
なくては、上位戦はない。2回登場した力士が霧馬
山、明生、玉鷲、逸ノ城である。ただ十一月場所、
2大関だけを倒しても、殊勲の対象にはなりにくい
かもしれない。
若隆景は現在脅威の7場所連続上位勝ち越し中であ
る。成績は66勝39敗である。関脇は今度の十一月場
所で5場所連続在位中である。若隆景こそ関脇以下
最強の力士である。いや、大関正代よりも強い。照
ノ富士不在では実質ナンバー2である。
これに続く力士が4場所連続上位勝ち越し中の豊昇
龍と霧馬山である。このまま続くかどうかで両力士
の今後が決まりそうである。同時に2ケタ勝利も求
められる。琴ノ若は七月場所のコロナ部屋ごと休場
が痛かった。そのまま出場していれば勝ち越しは間
違いなかったであろう。琴ノ若は早く小結・関脇に
昇進することである。
新小結翔猿と力をつけてきた若元春は面白い存在に
なりそうである。幕内上位の星のつぶし合いは激し
くなりそうである。場所は迫っている。