幕下優勝以外で十両を狙える地位は幕下5枚目くらい
までである。そのなかで有力候補は西筆頭金峰山、東
2枚目狼雅、西2枚目菅野(かんの)である。その
ほか誰が抜け出して十両昇進あるいは復帰できるか
予断を許さない。
金峰山
カザフスタン出身 木瀬(元肥後ノ海)部屋 25歳
最高位幕下筆頭 幕下成績5月まで17勝4敗
日大出の学生出身。三段目付け出しでスタートして
七月場所が入門5場所目。負け越しなしで三段目・
幕下優勝の経験がある。得意は突き押し。
狼雅
ロシア出身 二子山(元雅山)部屋 23歳
最高位幕下2枚目 幕下成績5月まで70勝49敗
鳥取城北高校に相撲留学し、高校横綱になっている。
ロシア出身だが、父親とモンゴルですごした時期が
ある。序二段時代は照ノ富士と優勝決定戦を行い、
勝っている。右四つ寄りの相撲である。幕下生活は
七月場所で3年になる。
菅野
埼玉県出身 春日野(元栃乃和歌)部屋 23歳
最高位幕下2枚目 幕下成績5月まで24勝11敗
小中高と相撲を取ってきたキャリアを引き下げて中央
大に入学。学生出身。三段目付出でデビューした。
優勝はないが着実に勝ってきて、七月場所は入門9場
所目にあたる。得意は右四つ寄り、上手投げ。
初日、元十両の貴健斗と金峰山が対戦した。相撲は
迫力ある突き合いから、金峰山が左にまわり込みなが
ら上手出し投げを決めた。2日目、狼雅と菅野が星を
つぶし合うことになった。相撲は右四つから狼雅が
上手投げでくずしてそのまま決めた。狼雅は大事な
一番をモノにした。
3日目、1勝同士の金峰山と狼雅が激突した。金峰山
がもろ差しからどんどん前に出て白房下土俵で寄り
切った。同日貴健斗は十両の豪ノ山と対戦した。豪ノ
山の速攻の押しに何もできずに土俵を割った。
4日目、金峰山は新十両の千代栄と対戦した。金峰山
がパワーで圧倒して突き押しで出るが、千代栄は踏み
と留まって押し戻す。だが金峰山の馬力は再び千代栄
を追い込んで突き出した。金峰山は3勝。このあと
1勝してストレートで勝ち越した。
狼雅は2勝して3勝1敗とした。菅野も2勝して3勝
1敗まで持ち込んだ。貴健斗は2連敗スタートだった
が、2勝して五分に持ち込んだ。中日以降、十両を
目指す強者達の負けられない戦いは続く。
(この項目続く)