七月場所の番付では貴景勝がナンバー2の位置を占め
ている。だが、先場所8勝7敗の貴景勝がナンバー2
といってもピンとこないかもしれない。なにしろ前頭
上位の琴ノ若の9勝以下の成績なのだから。貴景勝が
好成績続きで、先場所たまたま8勝というわけでも
ない。
では本当の実力者ナンバー2は誰なのか。1場所では
なく、1年間のスパンで割り出してみた。条件は2021
年七月場所から2022年五月場所の6場所すべて上位に
いた力士を対象にした。霧馬山は5場所連続上位に
いたので、5場所の成績を参考に割り出してみた。
その結果以下になった。
貴景勝 38勝29敗23休
御嶽海 58勝32敗
正代 45勝45敗
若隆景 52勝32敗
大栄翔 49勝41敗
霧馬山 41勝34敗(5場所)
隆の勝 48勝42敗
逸ノ城 40勝35敗15コロナ休
実力ナンバー2は御嶽海といっていい。ナンバー3は
若隆景になる。貴景勝・正代を凌駕している。だから
若隆景が貴景勝・正代に勝っても殊勲インタビューは
不要である。それにしても正代はここ1年間の成績が
五分では弱すぎる大関、名ばかり大関といわれても
仕方がない。現在8場所連続1ケタ勝利中である、
出直し的再スタートの覚悟が必要である。
ただ、ナンバー2といっても気になる点がある。御嶽
海の成績は、照ノ富士のここ1年68勝13敗9休と比較
すると大変な差がついている。かなり開きのあるナン
バー2といえる。また、ナンバー2だからといって
七月場所優勝候補といえるのか。なんとなくあげにく
い感が強い。つまりナンバー2といっても名実ともに
ではなく、見かけ上のことに過ぎないわけである。
ここに相撲界がかかえる悩ましさがある。だからと
いって安易に横綱を誕生させてはいけない。連続優勝
と力量抜群はイコールではない。最近あまりいわれ
なくなったが、「横綱はどこからいっても大丈夫だ」
という域になって初めて生まれるモノである。