朝乃山が七月場所から土俵に帰ってくる。朝乃山の
最後の出場は2021年五月場所11日目だった。1年以上
の出場停止だったわけである。博打の処罰と開きが
あり過ぎる論議まであった。長かっただけに朝乃山
待望の機運はあり過ぎるほどあった。朝乃山を見に
名古屋まで行くファンがいるほどである。
三段目西22枚目からの再スタートだが、ケガで番付を
下げたわけではない。その点が照ノ富士や宇良とは
異なる。出場停止中でも地方場所に同行するのは許さ
れていた。それだけに稽古さえおこたらなければ元
大関の実力は十分にある。朝乃若や幕下との稽古が
伝えられている。
以前、出場停止で幕下から復帰した阿炎は連続幕下
優勝して十両に戻した。同じく竜電は幕下優勝と6勝
1敗で十両に復帰した。こうした先例から三段目相手
の朝乃山が苦戦するとは考えられない。幕下はある
程度体ができ、技術も身についてくる。三段目はそこ
までいかない。だから朝乃山は史上最強の三段目力士
になる。
朝乃山の復帰ロードはどうなるか。まず、2場所連続
優勝すれば幕下上位に位置する。そこで優勝、もしく
は好成績をあげれば十両に戻れる。阿炎は十両を2場
所で通過している。十両3場所目になる竜電も再入幕
寸前である。阿炎は入幕3場所目には関脇にあがって
いる。朝乃山にもそれくらいは期待できそうである。
朝乃山の土俵復帰、人によってはこれが最大の場所の
見所になる。