五月場所、十両のべテラン松鳳山が東12枚目
で3勝12敗と大敗した。これまで10年5場所
連続、通算68場所維持してきた関取の座を
明け渡すことになった。来場所の幕下降格は
必至である。それだけに去就が注目された。
「体と相談しながらゆっくり考えます」と
明言をさけた。
要するに今引退することはできない。年寄株
のめどがたたない。相撲界は1度離れると
それっきりである。かといって幕下で取って
どれだけやれるか。38歳でもあり、見通しが
たたない。事実元幕内力士が幕下で取って
十両に復帰するのは容易ではない。
豊ノ島は2年かかった。十両に復帰したとき
は35歳だった。千代鳳も2年かかった。十両
に戻ったときは27歳だった。蒼国来、勢は
幕下に落ちて1番も取らずに引退している。
蒼国来は1場所、勢は2場所だった。蒼国来
が荒汐(元大豊)部屋を継ぐのは規定路線
だった。勢も春日山を襲名した。
年寄株の問題は主に2つある。まず値段の
高騰。通常なら手が届かない億単位の値段で
ある。第2に空きが少ない。さらにそれを
助長する65歳から5年間の再雇用制度がある。
こういう仕事上必要だから再雇用制度は維持
するというならわかるが、そうは思えない。
どうしても再雇用制度をこのまま残すのなら、
せめて年寄株は返上して職務にあたらせたら
どうか。このままでは年寄株の回転率が悪く
なる。
今年(2022年)再雇用が終了するのは元大飛
の大山と元魁輝の友綱である。友綱は愛弟子
の魁聖にいくと思われる。大山は高砂一門の
株だから簡単ではない。松鳳山が借株という
形でもどう動くかわからない。
松鳳山は最高位小結で横綱日馬富士・鶴竜に
勝ったことがある力士である。このまま終わ
るとは思いたくない。