★一月場所の特徴は
千秋楽を迎えて優勝争いをする力士が御嶽海・
阿炎・照ノ富士・琴ノ若の4人となって話題
となった。これは近年にない盛り上がりと
なった。その反面関取休場は先場所よりはる
かに増えて10人に及んだ。このなかには部屋
ごと休場が2人、出場停止1人、賭博疑惑で
2人が謹慎であった。一月場所はほかにプロ
スポーツが少ないせいか、いつもの場所より
観客がよく入った。土日、祝日は2階の入り
はよかった。平日の終盤、1階はけっこう
入った。
★優勝した御嶽海について
今までの御嶽海は調子にムラがあった。その
ため、なかなか優勝争いに加われなかった。
今場所は調子をおろした相撲がなく、強さを
持続した。相撲はあたって、どんどん前に
出る力強い相撲で圧倒した。先場所の11勝は
大関への足がかりと思っていたが、今場所
一気に大関を手中にした。横綱・大関3人
体制はいかにもさびしかった。御嶽海が加わ
ることで4人体制に変わる。
★3連覇をのがした照ノ富士に関して
照ノ富士は明生戦でかかとを痛めたことから、
終盤は苦しい相撲だった。治療に専念して、
また立ちはだかっていただきたい。不屈の
照ノ富士ならできる。実力・安定度は第一
人者で、ほかの力士では代わることができ
ない存在なのだから。
★大関陣について
貴景勝は早々と休場、正代は6勝9敗で負け
越し。ともに来場所はカド番である。これを
8勝、9勝でのりこえたとしても賞賛でき
ない。地位だけ大関で中身がともなわないと、
耐えられない存在の軽さにつながりかねない。
栃木山は「大関は三役の倍稽古しろ」と言っ
ていえる。
★上位の勝ち越し組負け越し組に関して
勝ち越し組は大関に昇進する御嶽海を別に
すると、上位勝ち越し組は若隆景・宇良・
逸ノ城・玉鷲・阿武咲の5人となった。宇良
は初の上位でよく勝ち越したものだ。負け
越し組は隆の勝・明生・大栄翔・霧馬山・
遠藤・隠岐の海・北勝富士・千代翔馬の8人
と明暗を分けた。横綱・大関3人体制で大関
が弱いから5人勝ち越せたともいえる。負け
越し組も2ケタ負けは3人であった。
★取組編成について
今場所も、横綱大関戦の照ノ富士対正代、
関脇同士の御嶽海対隆の勝が幻になった。
安易に取組をはずすのではなく、横綱・大関
の対戦圏外の好成績者を早くから対戦させる
工夫がみられない。成績があがらない隠岐の
海・千代翔馬はもっと早くから横綱・大関と
対戦させることである。負けが込んでから
なら対戦させないほうがいい。
★三賞について
殊勲賞阿炎、敢闘賞琴ノ若、技能賞御嶽海と
なった。照ノ富士に勝って勝ち越した玉鷲、
御嶽海といるが、どちらかとダブル受賞が
あってもよかった。豊昇龍の技能はすばら
しく、受賞してもおかしくなかった。表彰で
トロフィーを渡さないのは感心しない。
★ほかに気がついた点は
たまり席が通常開催と同じ席数となった。
密といえば蜜である。開場が8時半になった。
徐々に通常開催に戻す予兆なのだろうか。
親方は売店などで働いているが、木戸に戻っ
てきてほしい。親方は多数いるのだから、
いつまでも外部に頼らないで、元のカタチに
戻してもいいのでは。
★最後に場所の採点を
67点
場所後も多忙は続きます。
興味深いテーマをこれからもお届けします。