大相撲

2022年一月場所総評

★一月場所の特徴は

千秋楽を迎えて優勝争いをする力士が御嶽海・
阿炎・照ノ富士・琴ノ若の4人となって話題
となった。これは近年にない盛り上がりと
なった。その反面関取休場は先場所よりはる
かに増えて10人に及んだ。このなかには部屋
ごと休場が2人、出場停止1人、賭博疑惑で
2人が謹慎であった。一月場所はほかにプロ
スポーツが少ないせいか、いつもの場所より
観客がよく入った。土日、祝日は2階の入り
はよかった。平日の終盤、1階はけっこう
入った。

<一月場所の休場>

★優勝した御嶽海について

今までの御嶽海は調子にムラがあった。その
ため、なかなか優勝争いに加われなかった。
今場所は調子をおろした相撲がなく、強さを
持続した。相撲はあたって、どんどん前に
出る力強い相撲で圧倒した。先場所の11勝は
大関への足がかりと思っていたが、今場所
一気に大関を手中にした。横綱・大関3人
体制はいかにもさびしかった。御嶽海が加わ
ることで4人体制に変わる。

<御嶽海3回目の優勝>

★3連覇をのがした照ノ富士に関して

照ノ富士は明生戦でかかとを痛めたことから、
終盤は苦しい相撲だった。治療に専念して、
また立ちはだかっていただきたい。不屈の
照ノ富士ならできる。実力・安定度は第一
人者で、ほかの力士では代わることができ
ない存在なのだから。

<照ノ富士>

★大関陣について

貴景勝は早々と休場、正代は6勝9敗で負け
越し。ともに来場所はカド番である。これを
8勝、9勝でのりこえたとしても賞賛でき
ない。地位だけ大関で中身がともなわないと、
耐えられない存在の軽さにつながりかねない。
栃木山は「大関は三役の倍稽古しろ」と言っ
ていえる。

<正代(左)と高継承>

★上位の勝ち越し組負け越し組に関して

勝ち越し組は大関に昇進する御嶽海を別に
すると、上位勝ち越し組は若隆景・宇良・
逸ノ城・玉鷲・阿武咲の5人となった。宇良
は初の上位でよく勝ち越したものだ。負け
越し組は隆の勝・明生・大栄翔・霧馬山・
遠藤・隠岐の海・北勝富士・千代翔馬の8人
と明暗を分けた。横綱・大関3人体制で大関
が弱いから5人勝ち越せたともいえる。負け
越し組も2ケタ負けは3人であった。

<宇良>

★取組編成について

今場所も、横綱大関戦の照ノ富士対正代、
関脇同士の御嶽海対隆の勝が幻になった。
安易に取組をはずすのではなく、横綱・大関
の対戦圏外の好成績者を早くから対戦させる
工夫がみられない。成績があがらない隠岐の
海・千代翔馬はもっと早くから横綱・大関と
対戦させることである。負けが込んでから
なら対戦させないほうがいい。

★三賞について

殊勲賞阿炎、敢闘賞琴ノ若、技能賞御嶽海と
なった。照ノ富士に勝って勝ち越した玉鷲、
御嶽海といるが、どちらかとダブル受賞が
あってもよかった。豊昇龍の技能はすばら
しく、受賞してもおかしくなかった。表彰で
トロフィーを渡さないのは感心しない。

<左から阿炎、琴ノ若、御嶽海>

★ほかに気がついた点は

たまり席が通常開催と同じ席数となった。
密といえば蜜である。開場が8時半になった。
徐々に通常開催に戻す予兆なのだろうか。
親方は売店などで働いているが、木戸に戻っ
てきてほしい。親方は多数いるのだから、
いつまでも外部に頼らないで、元のカタチに
戻してもいいのでは。

★最後に場所の採点を

67点

場所後も多忙は続きます。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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