平成に入って関脇・小結全員が最初に勝ち
越したのは平成元年十一月場所であった。
この場所横綱陣は、千代の富士が13勝、北勝
海が11勝、大乃国は全休であった。大関陣は、
小錦が14勝で初優勝した。旭富士が8勝、
北天佑が5勝で負け越していた。そうした
なか、関脇・小結全員が勝ち越した。
東関脇琴ヶ梅8勝7敗(横綱大関戦3勝2敗)
西関脇 寺尾8勝7敗(横綱大関戦1勝4敗)
東小結水戸泉11勝4敗(横綱大関戦3勝2敗)
西小結 霧島10勝5敗(横綱大関戦3勝2敗)
水戸泉が敢闘賞を、霧島が殊勲賞を受賞した。
水戸泉と小錦は同部屋のため、対戦はなかっ
た。霧島は11勝の横綱北勝海に勝利している。
4人の合計勝利数は37勝である。これはこの
時点では次点タイ記録である。
平成6年五月場所、一人横綱曙は終盤から
途中休場。大関陣は貴ノ花が14勝で5回目の
優勝。武蔵丸が12勝、貴ノ浪が9勝、若ノ花
は全休であった。そうしたなか、関脇・小結
全員が勝ち越した。
東関脇 琴錦9勝6敗(横綱大関戦2勝2敗)
西関脇武双山9勝6敗(横綱大関戦0勝3敗)
東小結 魁皇8勝7敗(横綱大関戦0勝4敗)
西小結 寺尾8勝7敗(横綱大関戦2勝2敗)
武双山と武蔵丸は同部屋のため対戦はなかっ
た。寺尾は2回目の登場である。その寺尾が
優勝貴ノ花に勝って殊勲賞を受賞した。武双
山・魁皇は横綱・大関戦0勝であった。
平成8年一月場所。横綱陣は、貴乃花が優勝
同点の14勝、武蔵丸は不調の9勝、曙・若乃
花は途中休場であった。一人大関の貴ノ浪が
14勝1敗で初優勝した。同部屋の貴乃花と
優勝決定戦の末、川津掛けが決まって優勝
した。そんななかで関脇・小結全員が勝ち
越した。
東関脇 魁皇10勝5敗(横綱大関戦2勝1敗)
西関脇 琴錦9勝6敗(横綱大関戦1勝2敗)
東小結土佐ノ海8勝7敗(横綱大関戦1勝3敗)
西小結武双山10勝5敗(横綱大関戦1勝2敗)
魁皇は横綱貴乃花に唯一の土をつけ、殊勲賞
に輝いた。魁皇は途中4連敗して3勝4敗の
ときがあったが、盛り返した。
平成10年一月場所、横綱陣は、曙が10勝、
貴乃花が終盤3連敗して休場。大関陣は、
武蔵丸が12勝で3回目の優勝。貴ノ浪・若乃
花は10勝であった。そんななかで関脇・小結
全員が勝ち越した。
東関脇武双山10勝5敗(横綱大関戦2勝2敗)
西関脇 栃東11勝4敗(横綱大関戦3勝2敗)
東小結 魁皇8勝7敗(横綱大関戦2勝3敗)
西小結 琴錦10勝5敗(横綱大関戦2勝3敗)
貴乃花・曙を倒した栃東が殊勲賞を受賞した。
栃東は父の名を受け継いだ息子である。武双
山が敢闘賞に、琴錦が技能賞に輝いた。関脇・
小結全員が勝ち越したなかで、3人が三賞を
受賞したのは初めてである。琴錦は3度目の
登場である。また、4人の合計勝利数は39勝
となり、この時点では最高の数字になった。
同じ年の平成10年の九月場所、関脇・小結
全員が勝ち越した。この場所横綱陣は、貴乃
花が13勝で20回目の優勝を達成した。若乃花
は12勝、曙は10勝であった。大関陣は、武蔵
丸が11勝、貴ノ浪は10勝であった。3横綱
2大関がフル出場した。
東関脇千代大海9勝6敗(横綱大関戦1勝4敗)
西関脇貴闘力8勝7敗(横綱大関戦1勝1敗)
東小結武双山8勝7敗(横綱大関戦0勝4敗
西小結 出島8勝7敗(横綱大関戦1勝3敗)
貴闘力は貴乃花・若乃花・貴ノ浪とは同部屋
のため、対戦はない。出島と武蔵丸は同部屋
のため、対戦はない。千代大海は技能賞を
受賞した。時代はさらに平成10年代、さらに
令和へと続く。
朝から雨です。
興味深いテーマをこれからもお届けします。