鶴竜の稽古納めがネットニュースで報じら
れた。合同稽古に参加したものの、申し合い
はおこなわれなかった。力士会では一月場所
に向けて「精いっぱいやって結果を残したい」
と語るに留まっている。正直、鶴竜にこれ
以上がんばって横綱として立ち直っていただ
きたい、という機運は少なくなっている。
鶴竜をとりまく現実とは何か。
1.休場が多すぎる
2.年齢が35歳
3.横審から注意を受けている
4.稽古十分とはいえない
5.日本国籍取得で親方としての道筋が可能
になった
1.休場が多すぎる
鶴竜ほど横綱休場が多い横綱は珍しい。39場
所中、17場所である。2020年は5場所中4場
所休場だった。休場が多いという批判は当然
である。と同時に休場中も横綱の待遇を受け
られるという一般社会とは隔離した現実が
納得しがたい一面である。
2.年齢が35歳
年6場所制になって35歳まで取った横綱は
千代の富士と白鵬だけである。その白鵬も
休場がちで努めは十分ではない。そういう
意味ではとっくに限界であったのだ。最後の
優勝が2019年七月場所であった。
3.横審から注意を受けている
横審議の注意はいかにも重さのない響きで
あり、表現である。一般では警告以下である。
横審が誕生しても弱い横綱、物足りない横綱
は、なくなっていない。権威を疑われても
おかしくない存在なのである。
4.稽古十分とはいえない
再起を図らんとするならそこには必死さが
出てくる。稽古は日々の積み重ねなのである。
場所前の稽古がその場所に直結するものでは
ない。稽古なくして自信がつくものではない。
今年は巡業がなかった。鶴竜はあたって砕け
ろの心境なのかもしれない。
5.日本国籍取得で親方としての道筋が可能
になった
これで鶴竜の悲劇はなくなった。救われた。
年末に飛び込んできたビッグニュースであっ
た。横審は外国籍で親方資格がないままに
単に「注意」だからだめなのである。注意
だけなら横審でなくても言える。
鶴竜の現実を直視すると楽観材料は5だけで
ある。仮に鶴竜が力つきたときは、ファン
なら暖かく迎えてあげよう。もうそれしか
できない。
今年もあと3日です。
興味深いテーマをこれからもお届けします。