ここにきて鶴竜が日本国籍を取得したとの
ニュースが報道された。申請から2年半、
長かったし、長すぎた感があった。この吉報
がないまま一月場所の土俵に上がれば、悲愴
感漂う相撲になるところであった。これが
なくなったことは大きい。鶴竜は親方として
相撲界に貢献できることになった。
鶴竜は横綱審議委員会から注意を受けていた。
休場が多いということである。だが、本場所
の結果だけを見て物事を言うのなら横綱審議
委員会でなくても言える。横綱審議委員会
ならもう一歩進んで、鶴竜が抱えている事情
を汲み取った上での発言が必要だったのでは
ないだろうか。注意だけでは横綱審議委員会
の存在価値を示せたとはいえない。
鶴竜は力士を志願し熱望していた。日本語が
わからなかったため、父の勤務する大学で
日本語を教えていた方に胸のうちを翻訳して
もらい、日本の相撲愛好会会長に送った。
これを受けて井筒(元逆鉾)に諮って入門と
なった。力士志願にここまで熱意をかけての
来日であった。
井筒部屋は横綱がいても弟子は少数であった。
そして師匠である井筒は58歳という若さで
他界するという悲運に遭遇した。かつての
井筒部屋は解体されているという。晩年の
鶴竜は幸運に見放されたようであった。
鶴竜はモンゴルでは8人目の幕内力士になる。
日本国籍を取って親方になったモンゴル力士
は旭天鵬、時天空(故人)、朝赤龍、翔天狼
である。5人目は鶴竜か白鵬のどちらかに
なりそうである。これで、鶴竜はようやく
精神的鬱屈が解消され、晴れ晴れとした気分
で場所を迎えられそうである。
荷物を九州に送ります。
興味深いテーマをこれからもお届けします。