白鵬の休場が目立っている。今年(2020年)
に入って24勝6敗2不戦敗28休である。不戦
敗を含む休場率は50%である。大鵬の晩年、
最後の1年間は57勝11敗2不戦敗11休で不戦
敗を含む休場率は16%である。千代の富士の
最後の1年間は28勝7敗2不戦敗43休で不戦
敗を含む休場率は56%である。大鵬は32歳
直前引退した。白鵬の年齢は千代の富士引退
の36歳直前に近づいている。オリンピック
花道論が考えられた。しかし、オリンピック
は1年延期された。そこまで白鵬が現役を
保つのは簡単ではない。
白鵬の実績に関してはいまさらいうまでも
ない。44回優勝、7連覇、63連勝、年間86勝
4敗、そのほか通算勝利数、幕内勝利数など
数え切れない。それでいて周囲からはいっ
こうに一代年寄の声は聞こえてこない。白鵬
の千秋楽の万歳三唱や三本締めなどの不祥事
に対する印象の悪さから来ているという見方
がある。そういう瑣末さよりも白鵬の自分
本位の立ち合いを指摘する意見もある。
もっと極端な見方としては一代年寄りなんか
なくてもいいという声である。部屋は一代
限りなのだから意味がないということである。
北の湖は「大変名誉なこと」と受け入れて
いた。ここへきてそういう声が出てくるのは、
いかにも白鵬に対するあてつけに見えてくる。
白鵬は年寄株を探しているという。そのめど
がたたないから引退できないという見方が
ある。師匠の宮城野(元竹葉山)親方は現在
63歳である。横綱は引退後5年間横綱名を
年寄として名のれる。宮城野の定年を待って
継承することはできる。しかし宮城野は再
雇用を希望しているという説がある。だと
したら、白鵬は八方ふさがり状態に映る。
白鵬はこうした包囲網から道筋をつける
まで引退はしないのかもしれない。もっとも
後継の横綱は目途がたたないから皮肉である。
横綱が欠け、繰上げで横綱を誕生させても
短命に終わる恐れがある。なんともおかしな
構図のなかで、相撲界は場所を重ねていか
なければならない。
あわただしい日々が続いています。
興味深いテーマをこれからもお届けします。