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北玉時代3

昭和44年十一月場所は1横綱、4大関でスタ
ートした。横綱大鵬は6勝3敗から休場。
8日目関脇前の山戦で左ひざを痛めてしまっ
た。この場所は大関北の富士の独走となった。
「清國一人に甘い蜜を吸わしてなるものか」
燃える要素があるときの北の富士は強い。
杉山桂四郎氏はこれを北の富士の循環気質と
指摘した。

1敗北の富士は前頭6枚目2敗の竜虎と12日
目に対戦し、退けた。12日目を終えて1敗
北の富士、2敗がなく、3敗が大関玉乃島、
平幕竜虎であった。その3敗が13日目に負け、
北の富士が勝ったため、優勝が決定した。

<北の富士>

関脇麒麟児(のちの大麒麟)は3勝4敗から
連勝を続けていた。この場所、玉乃島、琴櫻、
清國の3大関を倒して14日目1敗の北の富士
戦をむかえた。この一番麒麟児がもろざし
から吊り出しで勝ち、北の富士は2敗になっ
た。千秋楽結びの一番北の富士対玉乃島戦は
突っ張りあいになって北の富士がまさり、
左四つに組み止めるとすぐさま外掛けで勝負
を決めた。

北の富士は昭和42年三月場所以来2回目の
優勝。12勝-13勝優勝で横綱に近づいた。
玉乃島は10勝5敗に終わり、横綱は遠くなっ
た。

明けて昭和45年一月場所、横綱大鵬は全休。
焦点は北の富士の横綱昇進なるか。もう一つ
は連続11勝の麒麟児の大関昇進なるかであっ
た。北の富士は前場所に続き、好調。8日目
まで1敗で通過。玉乃島は6勝2敗であった。
関脇麒麟児は5勝3敗と厳しい前半・中日と
なった。

<麒麟児のブロマイド>

9日目、北の富士と麒麟児が対戦し、北の
富士が先場所のリベンジを果した。麒麟児は
この場所8勝7敗で大関取りはなくなった。
玉乃島はその後もちこたえ、12勝2敗で1敗
の北の富士戦をむかえた。

ここへきて、玉乃島が本割で勝てば横綱に
推挙してもいいのでは。優勝決定戦は番外、
玉乃島が13勝なら横綱はあり得るのでは、
という声が出始めていた。いかにも本割は
玉乃島が勝って、決定戦は北の富士が勝つ
かのような思わせぶりであった。

<玉の海>

相撲は突っ張り合いから左四つ。玉乃島、
北の富士に上手を与えない体勢へ持ち込む。
玉乃島上手出し投げ。北の富士こらえ、土俵
中央へ。玉乃島上手ひねり、北の富士くずれ
ず。玉乃島横へ動き、吊り出して13勝。優勝
の行方は決定戦となった。決定戦は北の富士
が速攻から左四つ外掛けで一気に決めた。
北の富士は連続優勝で横綱昇進を決めた。
優勝同点の玉乃島が大関で横綱を見送られた
経緯もあり、場所後同日横綱昇進が決定した。

(この項目続く)

日曜NHKで大相撲特別場所放送。
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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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