新大関の誕生。それは新しい力の躍動、新し
い英雄の出現である。朝乃山は26歳で大関に
なった。これまで同じ学生出身の輪島、豊山
(前名内田)の年齢と比較してきた。新大関
のなかの位置づけはどうなのか。改めて調査
してみた。
対象は15日制以降の大関で、大関でいえば
千代ノ山以降とした。年齢は伝達式の日では
なく、大関初陣の場所とした。朝乃山の初陣
が、いつになるのか確定していないが、便宜
上5月10日とした。四股名は原則大関のとき
とした。千代ノ山から朝乃山まで 71人の
新大関の年齢番付が以下である。
トップは2代目貴ノ花である。史上最年少の
大関記録になる。続いて大鵬、北の湖である。
いずれも20歳で大関になっている。朝乃山
はまだ在学中の年齢である。そしていずれも
大横綱であり、一代年寄になっている。北の
湖は相撲部屋から中学に通っていた根っから
の相撲人であった。今は中学を卒業してから
でないと入門できない。
白鵬が21歳で第4位である。これも大変な
偉業である。白鵬はナンバー1の記録が多い
ため、ともすれば新大関の年齢は埋没しがち
である。さらに柏戸、朝青龍が続く。ここ
まではすべて横綱に昇進している。朝青龍は
序ノ口から21場所で大関に昇進している。
これは大鵬(23場所)、貴乃花(29場所)も
かなわない。また、朝青龍は大関3場所で
横綱に昇進している。6場所制ではトップ
タイである。
現役の貴景勝は22歳で大関に昇進した。これ
は若い部類に入る。22歳以下で大関に昇進
した力士は17人いる。そのうち11人が横綱に
昇進している。ただ、貴景勝は大関になって
も、もう一つ精彩がない。どこかで変身が
あるのか、息の長い大関として終わるのか。
次の場所はカド番である。カド番から優勝
した例があるだけにベストを尽くしていただ
きたい。
年3場所制、4場所制を経験してきた力士は、
概ね高い年齢である。千代の山は23歳と例外
だが、吉葉山31歳、鏡里28歳、栃錦27歳、
三根山31歳、大内山28歳、松登31歳、若乃花
27歳、朝汐27歳 琴ヶ濱30歳である。その
代わり力士寿命は長かったといえる。
23歳以降大関になった力士は54人いる。その
うち、横綱に昇進できたのは20人である。
年齢がたかくなればなるほど難しくなって
くる傾向がある。71人の新大関の合計年齢は
1795歳。平均は25.3歳である。
朝乃山は71人中42番目の年齢になった。鶴竜
と同じ年齢である。鶴竜は2年で横綱になっ
た。9勝-14勝-14勝優勝とワンチャンスを
生かしての昇進であった。双羽黒が優勝なし
横綱で終わった反省から、旭富士から日馬
富士まで連続優勝が横綱昇進の絶対条件だっ
た。鶴竜、稀勢の里でやや緩やかになった、
といえる。朝乃山の横綱は2年が勝負になる。
早朝目がさめました。
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