羽黒山は双葉山の弟弟子で、双葉山が現役の
ときは、かげに隠れたところがあった。だが、
戦後4連覇するなど強豪力士であった。筋肉
が、たくましく、仁王のような体形であった。
昭和23年の巡業中にアキレス腱を2度切って
夏場所から3場所全休。このときを含め、
11場所連続優勝なしがある。その後15戦全勝
優勝したが、それが最後の優勝(7回目)と
なった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/04/羽黒山政司-e1587342761362.jpg)
安芸ノ海は双葉山の連勝記録を69でストップ
した力士である。双葉山を倒したほどの力士
だからということで奮起して横綱にまでなっ
た。だが、横綱は8場所在位でついに1度も
優勝できなかった。
桜色の音楽といわれ、リズミカルな相撲を
取った照國は、大関2場所で横綱に昇進した。
だが、優勝があまりに遠かった。東富士、
増位山、千代ノ山と後から入幕した力士に
先に優勝されていくありさまだった。新横綱
の場所から17場所連続優勝がなかった。これ
はワースト3位タイの記録である。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/04/照國-e1587342777748.jpg)
前田山は横綱が務まらなかった力士である。
在位は8場所だが、優勝はおろか次点もなか
った。怒涛の寄り身東富士は、連続優勝と、
全勝優勝こそなかったが、まんべんなく優勝
したともいえる。引退場所を含めた4場所
連続優勝なしであった。なお、東富士の横綱
2場所目から15日制がスタートしている。
千代の山は戦後復興の礎を築いた横綱であっ
た。新大関のとき初優勝。翌場所も優勝した。
初優勝から連続優勝した力士は双葉山、照國、
千代ノ山、朝青龍、稀勢の里の5人しかいな
い。横綱になって千代の山は苦しんだ。横綱
6場所目の昭和28年春場所、横綱返上問題を
おこしている。このときを含め、12場所連続
優勝なしを記録している。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/04/千代の山-e1587342798324.jpg)
太鼓腹鏡里も新横綱初優勝に苦しんだ。10場
所連続優勝なしだった。そのあと連続優勝
している。若ノ花が大関で無類の強さを発揮
していたとき、記者が鏡里に「明日の若ノ花
戦はどうですか」ときいた。鏡里は「こっち
は横綱だよ」と記者をやんわりたしなめた
エピソードがある。
吉葉山は優勝のチャンスをなかなか生かせ
なかったり、14勝しながら平幕で横綱・大関
戦なしの時津山に優勝されたりと不運であっ
た。そんな吉葉山だけに初優勝したときは、
ファンの熱狂は大変なものだった。おりしも
その日は雪であった。優勝パレードは雪にも
かかわらず、吉葉山の優勝を待ちに待った
ファンが殺到。その人気は凄まじかった。
吉葉山のほおを流れるのは涙か雪かとして、
その光景が伝わっている。初優勝で横綱に
昇進したが、1場所目、2場所目は休場して
いる。横綱在位17場所、ついに優勝はなかっ
た。照國と並んでワースト3位タイ記録を
つくってしまった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/04/吉葉山-1024x625.jpg)
(この項目続く)
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