大相撲

大関昇進2場所前の1ケタ勝利

2020年4月2日

3月26日「次の大関は誰」というテーマで
次のように記した。一月場所13勝した正代は
三月場所8勝に終わった。勝ち越しはりっぱ
だが、連続2ケタの持続性はなかった。いか
にも正代の大関はなくなったように書いた。
しかし、歴史的には大関昇進2場所前の1ケ
タ勝利の大関はいるのである。15日制の71例
中12例と17パーセントに過ぎないが、実際は
あるのである。そうみれば正代の大関昇進は
100パーセントなくなったとはいえないので
ある。

<正代>

鏡里 9勝-8勝-11勝
松登 11勝-8勝-13勝
若ノ花10勝1分-8勝-10勝1分
朝汐 8勝-8勝-13勝優勝
鏡里と若ノ花は、本人も大関に上がれるとは
思わず、予定をいれていたことはすでに書いた。
今ならありえない大関昇進かもしれない。
松登は直前優勝争いをした。昭和30年秋場所
13日目、横綱鏡里と1敗同士で対戦した。
敗れたものの優勝次点であったことが大き
かった。朝汐は2回目の優勝であった。御嶽
海がこの時代の力士なら大関になっていた
かもしれない。

<朝汐のブロマイド>

北葉山 8勝-9勝-11勝
佐田の山8勝-9勝-13勝優勝
栃ノ海 9勝-9勝-14勝優勝
北葉山は12場所連続関脇・小結在位が評価さ
れた。佐田の山は横綱大鵬を優勝決定戦で
倒しての優勝だった。大鵬は4連覇中であっ
た。栃ノ海も優勝している。当時は関脇で
優勝すれば、大関の力はあるという風潮で
あった。

玉乃島 10勝-9勝-11勝
当時は全盛期を過ぎた豊山の一人大関であっ
た。そこでまず、北の富士が甘い成績で大関
になった。その翌場所、玉乃島がやはり甘い
成績で昇進した。

清國 10勝-9勝-12勝
清國は安定した成績が評価されたとして、
大関に昇進した。だが、現代なら異議が出そ
うである。また、時代背景として昭和40年代
までは甘い昇進は珍しくなかった。

輪島 12勝優勝-8勝-13勝
輪島は優勝しているが、そのときは10勝-
9勝-12勝優勝だった。当時は混乱の時期で
誰が優勝するか皆目検討がつかなかった。
そんななかの優勝だったので、優勝の評価は
低かった。長谷川が8勝-10勝-12勝優勝で
大関に昇進できなかったのも同様であった。
輪島はその2場所後13勝をあげた。このとき
千秋楽で貴ノ花と水入りの熱闘となった。
「こんな相撲を見せられては」のムードが
大関昇進につながった。

<輪島>

曙 13勝-8勝-13勝優勝
平成に入って大関の甘い昇進は少なくなった。
曙の最初の13勝のとき、貴花田が初優勝して
日本中を熱狂させた場所である。優勝を先ん
じられた曙が2場所後優勝したわけである。
横綱不在の時代に入っていた。

豪栄道 12勝-8勝-12勝
12勝-8勝なので、次の場所は大関をかける
場所とは本人も周囲もメディアも考えていな
かった。ところが、場所が進むと千秋楽を
迎えて優勝争いは次のようになった。
横綱白鵬 12勝2敗
大関琴奨菊12勝2敗
11勝3敗関脇豪栄道は琴奨菊と対戦すること
になっていた。この展開で急に豪栄道の大関
昇進が浮上した。琴奨菊に勝てば大関昇進と
なった。そして豪栄道は大関を手中にする
ことができた。

<2014年7月 琴奨菊を攻める豪栄道>

正代は13勝-8勝-12勝以上なら大関昇進は
ないとはいえない。13勝は平幕だが、上位と
ほぼ対戦している。今度の場所で正代が優勝
なら大関昇進があるかもしれない。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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