■双葉山1
双葉山といえば、69連勝が最も有名である。
双葉山が69連勝を達成したのは、昭和14年
1月14日である。それから81年以上経つが、
いまだ破られていない。大相撲史上最高の
連勝記録として、さん然と輝いている。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/04/双葉山■-e1585876395945.jpg)
連勝記録が始まったのは、双葉山が平幕の
ときである。昭和11年春場所、前頭3枚目で
9勝2敗の成績であった。6日目横綱玉錦に
敗れたあとから連勝は始まった。当時はこれ
が連勝の始まりになるとは誰も思っていなか
った。なお、昭和7年から取組は系統別総当
たり制に変わっていた。
翌場所の夏場所、双葉山は関脇に昇進した。
この場所双葉山は初日から連戦連勝。先場所
全勝優勝した横綱玉錦も同様であった。両雄
は9日目に全勝で激突した。予想は当然玉錦
である。このとき玉錦は27連勝中であり、
充実期であった。また、双葉山はこれまで
玉錦に6連敗と、一度も勝てなかった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/04/玉錦-e1585876416993.jpg)
仕切り7回目で立った。当時は仕切り制限
時間は10分だが、制限時間までいって立て
なかったではみっともないということから
時間前に立つ傾向があった。双葉山激しく
突っ張ると玉錦突き返して右四つになった
が、玉錦の左は万歳状態だった。双葉山は
左上手をがっちり取っていた。玉錦巻きかえ
にいくところを双葉山一気に出て、寄りたて
れば、玉錦たちまち土俵に詰まる。首をまい
てうっちゃりをみせるも、双葉山上手をはな
し、胸を押してあびせ倒した。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/04/双葉-e1585876438414.jpg)
双葉山は残り2日間、横綱男女ノ川、大関
清水川に連勝して11戦全勝で初優勝した。
驚くべき双葉山の変貌であった。玉錦戦は
覇者交代の一番となった。これ以降玉錦は
双葉山に勝てなくなり、優勝することはなか
った。双葉山は16連勝したが、数字的にまだ
話題にはならなかった。全勝優勝した双葉山
は大関に昇進した。
(この項目続く)
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