一月場所の大関貴景勝は11勝4敗と数字的
にはまずまずの成績をおさめた。だが、白鵬・
鶴竜が休場したのだから、優勝して当然の
立場であった。それが優勝を争う平幕の正代、
徳勝龍の直接対決に負けるのだから大関の
面目丸つぶれである。それと同時に感じた
ことは、貴景勝は勝負弱いということである。
ここ一番の勝負をモノにする力士を勝負強い
という。大鵬は勝負強かった。師匠のニ所ノ
関(元佐賀ノ花)は「ここで負けると時代が
変わるぞ」とハッパをかけていた。現代なら
白鵬の全盛期は勝負強かった。
思い起こせば、貴景勝はそれだけでない。
初優勝した2018年の十一月場所でも直接対決
となった14日目、大関高安に負けて2敗に
並ばれている。千秋楽、高安が御嶽海に負け
て自動的に優勝が決まったのである。それ
以降の優勝争いとしては、大関から関脇に
降格した2019年九月場所がある。このときは
御嶽海と12勝3敗同士の優勝決定戦で一方的
に敗れている。
こうしてふり返ると貴景勝は案外勝負弱い
のではないかと思えてくる。勝負弱ければ
優勝は遠くなる。優勝が遠くなれば、横綱は
望めないことになる。貴景勝が小結で初優勝
してから7場所が経過した。その間優勝を
争ったのはわずか1場所である。これまでは
若さから期待をもたれたが、勝負弱ければ
深刻な事態に陥る。
無観客だと懸賞も当然ないことになります。
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