大相撲

通算最多勝利に挑んだ魁皇の苦闘

2019年8月24日

今から8年前の平成23年七月場所、千代の
富士の通算最多勝利1045勝に挑んだ力士が
いた。大関魁皇である。先場所まで1044勝で
記録の更新は確実と思われた。ところがふた
をあけると大苦戦が待ち受けていた。

初日嘉風、2日目小結豪栄道、3日目関脇
鶴竜に負け、3連敗と最悪のスタートとなっ
た。3日目のメモを見てみよう。
魁皇対鶴竜A
<魁皇、鶴竜に敗れる>

■三日目 魁皇限界か 鶴竜に敗れ3連敗
千代の富士のもつ通算最多勝利1045にあと
1勝で並び、2勝で新記録達成だけに、魁皇
の快挙は時間の問題に思えた。しかし、初日
から3連敗、いいところなしである。この日
も鶴竜相手に後退し、東土俵際で腰が崩れる
ように落ちた。にわかに雲行きがあやしく
なってきた。魁皇はこれまで何度も限界を
ささやかれながら、なんとか不入りの地元
九州場所までもってくれと悲痛な声に応えて
きた。しかし、3日間を見る限り限界である。
こらえられない。あと、たった2勝がもの
すごく遠くなってきた。

4日目、豊ノ島に勝ってようやく1045勝に
並んだ。

■四日目 魁皇通算最多勝1045勝達成、
だが… 
3連敗魁皇が気力を振り絞って苦手豊ノ島に
立ち向かい、一瞬の左突き落としで勝利した。
この歴史的一番を撮影した知人のカメラマン
は館内にどよめきと歓喜が響き渡り、興奮に
包まれたと伝えてきた。時2011年7月13日
千代の富士の通算最多勝利数に並んだ瞬間
だった。休場も考えられた魁皇だが、後退
しなければ勝利をつかめるチャンスがある。
魁皇がこの後何勝するかはわからない。しか
し、不滅とはいかない。誰も指摘しない?が、
この記録を破る可能性のある力士が一人いる。
魁皇対豊ノ島A
<魁皇、豊ノ島に勝って千代の富士の記録に並ぶ>

■五日目 魁皇前人未踏の1046勝+αは超人
白鵬によって破られる
魁皇が左四つ十分の体勢で旭天鵬に上手を
与えず寄り切って通算勝利数1046勝をあげ、
新記録を達成した。しかし、この瞬間にも
超スピードで追い上げてくる力士がいる。
超人白鵬である。白鵬は先場所までの60場所
で604勝をあげている。しかも2009年、2010
年は86勝をあげている。今後12.5勝平均を
あげていくと40場所(6年4場所)で1104勝
に達する。白鵬の実力ならここ3年は6場所
で78勝以上あげていくのでは。そして柔軟性
がある体質はけがをしにくく、休場は少ない
と考えられる。魁皇の記録はすでに破られる
運命にある。
魁皇対安美錦A
<魁皇、安美錦から最後の勝利>

魁皇は6日目関脇稀勢の里に敗れ、7日目
安美錦に勝って通算最多勝利を1047勝まで
伸ばした。だが、限界だった、この後3連敗
し、引退した。成績は3勝8敗であった。
魁皇最後の大記録であった。だが、この記録
は白鵬に破られ、現在1132勝が通算最多勝利
記録になっている。

暑いと頭が働きません。

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denkouriki

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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