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大鵬の稽古その質と量

大鵬は天才と呼ばれることを嫌った。自分
ほど努力した者はないという思いが強かった。
大鵬を語る上で伝えられていることに、時の
5大関北葉山、佐田の山、栃ノ海、栃光、
豊山(前名内田)を向こうにまわしての猛
稽古がある。稽古でも大鵬は負けない。稽古
を見つめる若手がいつ負けるかと見ていたが、
とうとう最後まで負けなかった。大変な人
だった。
大鵬
<大鵬>

時は流れ、栃ノ海が新横綱として登場した
昭和39年三月場所、大鵬は10回目の優勝を
全勝優勝で飾っている。入幕2場所目の北の
富士が小結に、入幕3場所目の清國が関脇に
昇進している。場所後の4月5日から広島
準場所11日間の稽古の様子を雑誌「大相撲」
が伝えている。
それによると
けいこの質と量で、断然他を圧倒している
のが横綱大鵬だ。初日は、北の富士と浅瀬川
を相手に二十番ほど。二日目は、若見山と
義ノ花を相手に、やはり二十番。三日目は、
広川、若見山、清国、北の富士、富士錦、
沢光といった新鋭六人を向こうに並べて、
二十六番。四日目は、豊山と栃光をかり出し
て二十五番と、徐々に調子をあげてきた。
と、伝えている。
大相撲
<雑誌大相撲>

一番強い大鵬が最も稽古をする。これでは
差が開く一方である。さらにこう伝えて
いる。
親方衆も、こんな大鵬には手ばなしだ。
「やはり大鵬だ。心掛けがちがう」
「これでは差が開くばかりだよ」
中略
「大鵬は強くなった。それに、よく考えて
けいこしている。自分の思いどおりにとって
いるし、気合も十分だ。気合がはいってって
いるから、時間が短く感じる」
大鵬!
<大鵬>

今、稽古の様子は場所前中心である。しかし、
稽古は毎日の積み重ねである。大鵬の域まで
稽古する力士はいるのだろうか。土俵の充実
は稽古以外ないはずである。

毎日アイスを食べています。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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