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現代相撲部屋系統事情

7月下旬、5つの一門に必ず入るよう理事会
で決まった。この規定は旧貴乃花一門のみを
対象とした規定であった。貴乃花は貴乃花
一門の名前を返上し、一門をつくるきかっけ
となった貴乃花自らが脱退したため、旧貴乃
花一門はなくなった。
180923千秋楽表彰 098
<阿武松(元益荒雄)>

そこで旧貴乃花一門では立浪(元旭豊)が
出羽海一門に入った。二所ノ関一門を飛び
出した阿武松(元益荒雄)、千賀ノ浦(元隆
三杉)、大嶽(元大竜)及び部屋付きの親方
は古巣に戻った。その際時津風一門を飛び
出した錣山(元寺尾)、湊(元湊富士)及び
部屋付きの親方も二所ノ関一門に加わった。
一門とは何か。テレビでは派閥のようなもの
という言い方をしていてわかったようでピン
とこない説明である。現代の一門は理事候補
を選出するために、本家、分家の関係を中心
にまとまった集団と筆者はいってきた。だが、
実体はもう少し複雑である。現代の相撲部屋
のルーツは次である。
現代相撲部屋の系統A
オレンジ:江戸からの流れを組む伊勢ノ海と
その分家
緑:明治の風雲児高砂浦五郎の流れを組む
部屋
黄:明治の角聖常陸山が大きくした出羽海の
流れを組む部屋
薄水色:緑島の立浪の流れを組む部屋
水色:玉錦が大きくした二所ノ関の流れを
組む部屋
ピンク:八甲山の流れを組む部屋
ベージュ:大阪相撲の増位山(父)の流れを
組む部屋
これまで高砂-初代西ノ海の流れ組む井筒系
は高砂をルーツとすることはこれまで書いて
きた。また双葉山の時津風のルーツは立浪で
あることにも触れてきた。佐渡ヶ嶽部屋出身
の琴錦が伊勢ヶ濱一門にいる理由も伝えて
きた。伊勢ヶ濱部屋は元陸奥嵐の安治川部屋を
引き継ぐ形でスタートした。九重部屋は千代の
山が出羽海から破門独立した部屋である。追手
風(元大翔山)が伊勢ヶ濱一門から時津風一門
に移ったのは考え方の違いによるものである。
「立浪の迷走」は最近書いたばかりである。
180908初日前日 463
<八角理事長(元北勝海)>

それとともに近年目立つのは相撲部屋が他
系統に引き継がれることである。
式秀部屋は元大潮(時津風)から元北桜(北
の湖)へ
高田川部屋は高砂から破門された元前の山
から元安芸乃島(二子山)へ
千賀ノ浦部屋は元舛田山(春日野)から元隆
三杉(二子山)へ
こうしてみると一門はかなり複雑な組み合わ
せで形成されていることになる。理事は本来
自由な立候補と自由な投票によっておこなわ
れるのが、開かれた組織なのだろうが。一門
のあらかじめ投票先が決められた均等投票は
まだまだ続きそうである。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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