日馬富士の暴行事件は突如浮上した。本場所
そっちのけの大騒ぎが、真相が見えない中、
連日連夜続いた。しかし、ここにきて自ら
終止符をうった。横綱審議委員会の引退勧告
や相撲協会からの断を待たずに決意したこと
はよかった。日馬富士はこれ以上ない責任の
取り方を示した。
暴行はよろしくないが、日馬富士を救いたい
と思う方の心情はわからなくもない。人間
には功罪がある。罪ばかりに目をむけて、
彼の功の部分に目をつぶるのは偏った見方で
ある。モンゴルの心臓病の子供たちを救う
ために医療支援活動をしてきた。また、ファ
ンを大切にする姿勢は誰よりも上であった。
日馬富士に接したファンは感じているはずで
ある。
同時に考えなければならないのが、横綱審議
委員会の規定が「激励、注意、引退勧告」の
3つしかないことである。相撲協会の罰則に
しても「除名、解雇、番付降下、出場停止、
減給、譴責」である。これにプラスして出場
停止+奉仕活動あるいは慈善活動○年がなぜ
ないのか。もっと外に目を向けていただき
たい。
問題は、誰もここまで大事になるとは思わ
なかったことである。大相撲の世界しか知ら
ないのでは、世の中の社会人とは感覚的に
ズレが生じる。相撲堂老人が「幕下以下の
力士でも、10万円なんてご祝儀にはいらない
よ」と言っていたことを思い出した。働いて
10万稼ぐのは簡単なことではない。贈呈品が
届いても礼状を出さない関取の話を聞いた
ことがある。
日馬富士は土俵を去った。安馬時代を知って
いるだけに、あの小さな体で大関を通り越し
て横綱まで昇進することは想像できなかった。
スピード・集中力で9回も優勝した。日馬
富士こそ自己の限界以上の力を発揮し、相撲
を取った横綱であった。
福岡の疲れが残っています。
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よしなに
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