<三月場所で負傷した稀勢の里>
3場所連続休場中の稀勢の里、鶴竜は、今度
の十一月場所出場に向けて調整中である。
以前、連続休場後引退した横綱については
触れてきた。今回はフル出場した横綱につい
てみていこう。横綱は実質地位化した常陸山
以降を対象とした。それが以下である。
常陸山以降、取組が東西制のもと、連続休場
後初めて優勝したのは常ノ花である。鳳は
負け越している。この辺は参考としてみて
いただければと思う。検討すべき対象は、
取組が系統別・部屋別で15日制のケースで
ある。表では羽黒山以降となる。羽黒山から
鶴竜まで40例ある。曙、貴乃花は一人で4度
連続休場後フル出場している。
優勝したのは7例にすぎない。確率17.5%に
すぎない。大鵬は2度とも優勝しているの
だからりっぱである。最初は5場所連続休場
後で、初日負けて14連勝した。45連勝(誤審
記録)につながった最初の場所であった。
2度目は北の富士、玉の海が新横綱で13勝
した場所であった。
<5場所連続休場後45連勝した大鵬>
全勝優勝は2度ある。同日横綱に昇進した
大鵬は、11回優勝していたのに対し、柏戸は
1回であった。柏戸の前褌を取って走る相撲
は、ときに土俵下へともつれ、ケガにつな
がっていた。そんな柏戸の復帰の場所は、
初日から勝ち進み14連勝。千秋楽は同じく
14連勝の大鵬を寄り切り、涙の全勝優勝を
成し遂げた。
<4場所連続休場後全勝優勝した柏戸>
もう一人は北の富士である。連続休場前の
2場所を含めて4場所連続不調であった。
その上一人横綱という微妙な立場であった。
一念発起して3度目の全勝優勝を達成した。
連続休場後フル出場したケースで最も多い
のが11勝4敗の11例である。これに次ぐ
のが10勝5敗の9例である。3位は9勝6敗
の6例である。ここまでで計26例と65%、
すなわち3分の2弱である。連続休場後の
横綱はけっこう苦戦していることがわかる。
3代目若乃花はなんと負け越している。
<今年皆勤1場所の鶴竜>
稀勢の里は、三月場所の負傷がどの程度回復
しているのか、気になる。鶴竜は、今年に
入って皆勤は三月場所の10勝5敗のみである。
自信を取り戻すのは充実した稽古の積み重ね
しかない。そして場所を離れた相撲感を早め
に取り戻すことである。
朝が寒くなりました。
興味深いテーマをこれからもお届けます。
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