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平成29年七月場所総評

★場所全体の印象
稀勢の里、鶴竜、照ノ富士の横綱・大関が
3人、人気の遠藤が休場で一転さびしい場所
になってしまった。稀勢の里は足首のケガと
いうことだが、ころころ負けていては休場に
追い込まれるのは、時間の問題だった。出場
に踏み切って、負けが込んだら休場というの
は、明らかに判断の誤りである。それを連続
でしてしまった稀勢の里の責任は重い。九月
場所はこれを繰り返してはいけない。
170711三日目幕内 1193
<稀勢の里、栃ノ心に敗れ1勝2敗>

鶴竜は休場が多く、進退は待ったなしである。
鶴竜が引けばごっつあんは定着している。
ただ、このままで終わってほしくはない。
優勝したのが、昨年の十一月場所である。
そのときの相撲と4横綱の皆勤をみてみたい。
17名古屋上位A
場所は優勝争う者同士の直接対決がなく、
盛りあがりに欠けた。もっとも一月場所、
五月場所もそうなのだから定着しつつある
といってもいいのかもしれない。しかし、
大相撲の醍醐味が失われてしまったのは、
確かである。
★通算最多勝の新記録1050勝と39回目の優勝
を達成した白鵬について
170723千秋楽幕後半表彰 412
<39回の優勝を達成した白鵬>

5場所連続優勝なしから、白鵬は復活した。
白鵬が自らを鍛え、さらに工夫や新たな試み
で稽古するなら、他の力士は対抗できない。
40回優勝は見えてきた。今後は幕内1000勝を
目指すというが、気持ちに張りがあるうちは
まだまだやれる。気になるのは左に変わり
気味の動きが目立つことと、張り手が多すぎ
ることである。白鵬の右四つの型、磐石の
相撲も見たい。
170723千秋楽パレード 069
<白鵬の優勝パレード 旗手山口>

★他の横綱・大関に関して
日馬富士はどうしても取りこぼしがつきもの
である。これを最小限度にしないと優勝には
手が届かない。横綱最年長だが、スピードと
集中力は魅力的である。全勝優勝を口にして
いた新大関の高安は9勝に終わり、期待はず
れの結果であった。大関の歴史は弱さの歴史
である。高安がその仲間入りしないことを
願う。
★幕内上位陣について
勝ち越したのが御嶽海、嘉風、栃ノ心、北勝
富士の4人である。上位で勝ち越すことは
とにかく容易でない。彼らはよくやった。
特に初上位で勝ち越した北勝富士は天晴れ
である。北勝富士は横綱・大関戦を3勝3敗
と健闘した。嘉風は横綱・大関戦4勝1敗と
抜群の成績を残した。もちろん1敗は白鵬戦
である。
170711三日目幕内 1092
<鶴竜を倒した北勝富士>

★三賞について
三賞は内容である。千秋楽に勝ってという
条件は、相撲内容を完全に無視している。
問題は勝ち方であり、同時に負け方なので
ある。優勝はごく一部の力士しかもらえない。
しかし、三賞なら関脇以下の力士にもチャン
スがある。彼らにも希望と励みが出た。最近
の三賞はもらってもおかしくない力士がもら
えない傾向が強い。嘉風は技能賞を受賞して
もおかしくない。敢闘賞は北勝富士と碧山、
殊勲賞は御嶽海である。
170709初日幕内 1153
<日馬富士に強い嘉風>

★ほかに目についた力士は
阿武咲は連続2ケタ勝利で来場所は上位が
予想される。若さあふれるパワー相撲がどこ
まで通じるか、見ものである。幕下の矢後は
幕下7戦全勝優勝で十両入りが予想できる。
十両でどんな相撲を取るか楽しみである。
序二段優勝の炎鵬は小さいながらも、きび
きびした相撲を取るので注目していきたい。
★最後に場所の採点を
これまで述べてきたことを総合し50点

明日は専門誌の発売日です。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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