稀勢の里が横綱に正式に決定してから11日が
経過した。三月場所まで5週間となった。
この5週間で横綱としての稽古をしなければ、
好成績は残せない。稽古量、対戦相手、質。
質とは何を強化するか、何を身につけるか、
長い相撲になっても息が切れないスタミナ
づくりなど、課題・目標をもって取組むべき
内容である。
<新横綱 稀勢の里>
先輩横綱は新横綱の場所にどのような成績を
あげたのか、調べてみた。対象は明治42年
6月、時事新報社が幕内最高成績者の優勝額
を国技館に掲げたとき以降とした。太刀山
から鶴竜までの47人の東京横綱に限定した。
それが以下である。
引き分け、預かり、不戦勝不戦敗の有無が
大きい。それは時代の限界だからどうしよう
もない。目安としてみてみよう。まず、新横
綱の優勝は6人である。確率1割2分8厘と
いう、狭き門である。師匠の隆の里は15日制
で初の全勝優勝を達成した。稀勢の里も続き
たいところではあるが、容易ではない。
<新横綱で優勝した大鵬>
47人の横綱の勝率は7割4分7厘である(分、
預かりは0.5勝0.5敗とした)。1場所15日制
なら11.2勝である。全休及び途中休場は5人
である。千代の富士以外は弱い横綱である。
15日制で新横綱を迎えなおかつ系統別総
あたりの千代の山から鶴竜まで31人。その
中で12勝以上をあげた横綱は10人しか
いない。横綱合格の12勝以上をあげるのは
けっこう至難の業である。
15日制で新横綱を迎えなおかつ系統別総
あたりの千代の山から鶴竜まで31人。その
中で12勝以上をあげた横綱は10人しか
いない。横綱合格の12勝以上をあげるのは
けっこう至難の業である。
こうして見ると新横綱は受難の場所になる
数字が並ぶ。大鵬は別としても大横綱とて
例外ではない。稀勢の里はどの道を辿るのか。
それは稀勢の里の今後の稽古の中身が答を
出すことになる。