九月場所10勝に終わったことで、稀勢の里の
話題が消えてしまった。琴奨菊と豪栄道は
たった1度の13勝以上の成績が優勝に結び
つけた。ワンチャンスを生かした優勝である。
もちろん彼らは現役であり、今後再び好成績
をあげることはありえる。それに比べて稀勢
の里は13勝を5度あげているが、優勝に結び
ついていない。ここまでくると稀勢の里は、
勝利の女神に見捨てられているのではと思え
てくる。
豊山(前名内田)がなかなか優勝できずに
いるとき、「優勝してくれ豊山」という悲痛
な叫びがあったほどである。今、豊山を稀勢
の里に置き換えたいファンもいるのでは。
稀勢の里に優勝はめぐってくるのだろうか。
これまでの5度の13勝をふり返ってみよう。
白鵬からである。もう1敗は横綱・大関から
が目立つ。稀勢の里にとって、大きく立ち
はだかってきたのが、白鵬である。しかし、
これはいままでのケースである。その白鵬は
全休あけで、けして万全とはいえない状態で
ある。ここにチャンスがある。日馬富士には
取りこぼしがつきもので、安定感に欠ける
傾向がある。鶴竜、豪栄道、琴奨菊、照ノ
富士に地力負けはしない。
あとは関脇以下の取りこぼしをいかになくす
かである。左四つ十分だが、上手から芸が
あるわけではない。玉錦のように力強い寄り、
出足が伴えば強さは増す。十一月場所、幸い
注目度は薄れている。伸び伸びと取れる環境
である。実はこれが稀勢の里にとって大事な
のである。無欲の勝利、考え過ぎない相撲が
十二分に力を発揮させる。そして、ここ一番
の相撲で勝利することである。
輪島はいい意味で相撲バカだった。ここ一番
の相撲は堅くなるどころかいっそう力を発揮
した。朝青龍は琴光喜の優勝を見て、自分も
やれると思ったと言う。稀勢の里に謎の微笑
みはもういらない。優勝することは必然で
あり、めぐり合わせである。稀勢の里は
今こそ優勝すべきである。
がっぷり総見で稀勢の里のインタビュー
があった。
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よしなに
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