大相撲

稀勢の里の変遷 4

2016年7月4日

稀勢の里が3場所連続負け越しで、幕内中位に後退した
が、11勝で小結に復帰した。平成19年九月場所のことで
ある。この間白鵬は横綱に、琴光喜は大関に昇進してい
た。ここからは小結中心の第1次三役定着期といえる。
そして稀勢の里は、大相撲が展開するドラマに関ること
になるのである。

ドラマを生む背景にはお騒がせ横綱朝青龍が関っていた。
平成19年七月場所、朝青龍が21度目の優勝を達成した。
ところが、優勝したにも関らず、ケガのため夏巡業を休む
ことになった。このことを耳にした筆者は、不可思議な感じが
したのを覚えている。
070722幕内 811加工
<平成19年七月場所 優勝した朝青龍>
 
夏巡業中、モンゴルに帰っていた朝青龍は、地元でサッカー
をしていた。元気一杯でヘディングまでしていた。実はこの
様子が、何と日本のテレビに流れていたのだ。ケガで夏巡業
を休んでいるのに、サッカーをしているとは何事だ、という
わけである。その結果、相撲協会は朝青龍に2場所出場
停止とその間の謹慎処分を申しつけた。この事件、謹慎中の
朝青龍が精神的病に陥り、途中から治療のためモンゴルに
帰国するという広がりをみせた。

朝青龍が出場停止中の平成19年の九月場所、再小結の稀
勢の里は負け越した。稀勢の里に限らないが、上位の成績
は横綱・大関戦の成績に左右される傾向にある。翌場所、
東2枚目で9勝6敗をあげたが、東筆頭止まりだった。関脇
安美錦8勝、小結安間10勝、小結琴奨菊9勝、西2枚目出島
10勝のため、三役復帰はならなかった。
07九州十三日目幕内 019
<平成19年十一月場所幕内土俵入り 左から琴光喜、
安馬、豊真将そして稀勢の里>
 
平成20年の一月場所、出場停止処分が解除された朝青龍
は復帰した。東筆頭の稀勢の里は2日目朝青龍と対戦した。
そこで朝青龍を圧倒し、送り倒してしまった。まだ、朝青龍も
土俵感が戻っていないのかな、という見方だった。ところが
朝青龍はこのあと快進撃を続け、なんと白鵬と千秋楽1敗
同士の相星決戦を迎えることになった。これ以上ない最高の
盛り上がりの舞台が整ってしまった。その最高の舞台は、
稀勢の里が朝青龍に勝ったことによっておきたのである。
080114二日目幕内後半 490○稀勢の里対朝青龍
<平成20年一月場所 稀勢の里、朝青龍を倒す>
 
勝負は観客の歓声と興奮が最高潮に達するなか、両横綱
が立ち上がった。熱戦となったが、朝青龍不在のなかで
がんばってきた白鵬が最後に制し、3連覇を達成した。稀勢
の里はこのあと勝ち越しを続けるも、関脇が遠い場所になっ
ていくのだった。

(この項目続く)

暑さとともに7月場所は近づいてきた。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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