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重量級大相撲の限界

七月場所のチケットの売れ行きは好調である。土日祝日
は早い段階で完売。現在、イス席はなく、平日のマス席
が前半と9日目、10日目にある程度である。相撲人気は、
ひところの薬物問題、新弟子暴行死事件、野球賭博事件、
八百長事件を経て、盛り返している。一月場所から五月
場所間まで満員御礼が続いている。
名古屋
<七月場所の案内>
 
相撲人気は盛り返しているのだろうが、相撲内容はどう
だろうか。五月場所の七日目、NHKテレビは「この人
この技」で若浪の吊り出しとうっちゃりを紹介した。初め
てご覧になった方はどんな印象をもたれただろうか。この
時代の相撲は個性派が多く、大相撲がかなり楽しめた
時期である。ニッネームもあった。潜航艇岩風、褐色の
弾丸房錦。それほど昔でなくても相撲博士旭国、角界の
プリンス貴ノ花などがあった。当時は150キロあれば巨漢
であった。
若浪A
<若浪の優勝を伝える「相撲」>
 
現代力士にニックネームは少ない。あるのは重量級の体
重である。そのため、技の相撲による攻防はほとんどなく、
力相撲になりがちである。体が傾くと復元できない。うっち
ゃり、吊り出しはほとんど見られない。あまりに巨体だと、
大味な相撲が多くなりがちである。
栃錦は相手の技が決まってから3つの技を繰り出した。
魁傑対旭国の水入り後取り直しの死闘、こうした相撲は、
現代見られない。立ち合いの変化、突っ張ってはたく相
撲に対応ができない、寄られればこらえて反撃に転じる
こともできず、土俵を割る底の浅いものになりがちである。
なげかわしいことだが、あっさり相撲が現代の主流である。
そしてそれは重量級大相撲の限界 を示している。

6月も後半に突入。
興味深いテーマをこれからも届けます。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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