大相撲

総評

2016年1月26日

★優勝争いについて
まったく盛り上がらなかった。原因は白鵬にある。13日
目に琴奨菊が負け、1敗の白鵬にチャンスがまわってき
た。それなのに、まるでやる気がないような14日目の稀
勢の里戦、千秋楽の日馬富士戦の負け方だった。白鵬は
先場所の14日目、千秋楽も覇気のない負け方をしている。
白鵬が相撲をつまらなくしている。
160124千秋楽幕内 964
<千秋楽、日馬富士に力なく敗れた白鵬>
 
★白鵬が3場所連続優勝を逃しているのをどうみるか
優勝しようという意気込みが見えないのだから当然の
結果である。小坂秀二氏は言う。
土俵上の双葉山に、単なる力闘者ではない、求道者の
姿を見たのは、決して私ひとりではあるまい。双葉山が
求めたものは、相手から得られる勝利でもなく、まして
観客の賞賛でもなかった。また、単なる相撲技の習熟、
完成というのでもなかった。言うなれば、相撲を通じての
自己完成への努力であろう。
双葉山
<双葉山>
 
双葉山自身は、このようなことをかつて一度も語ったこ
とはない。日常、その身辺はつねに明るく、おおらかで
あった。ただ、ひとたび土俵に立てば、対戦する力士た
ちも感じ、観戦する者も感じたものは、相撲に真剣に取
り組む求道者双葉山の姿であった。
(がちんこ相撲-だれが現代の双葉山か-いんなあ 
とりっぷ社刊より)
白鵬は大鵬の優勝回数を超えたが、相撲に真剣に取り
組む求道者双葉山に遠く及ばない。

★14勝1敗で初優勝した琴奨菊に関して
大関として苦しんできただけに、突然変異のように見え
たが、地道な努力とやってやろうという意気込みが開花
した。最近、がぶり寄りが止まったときは負けるケース
が目立っていた。しかし、今場所はがぶり寄りに威力と
安定感があった。日本出身の日本人が約10年ぶりに
優勝した。多くのファンが待ち望んでいただけに、国技館
は歓喜にわいた。郷里の方、部屋の地元の方、両親、お
嫁さんと様々な方の喜びが伝わってくるのも日本人力士
の優勝ならではと感じる。
160124千秋楽表彰 722
<優勝した琴奨菊 旗手琴勇輝>
 
★そのほかの横綱・大関について
日馬富士は12勝3敗の成績なのだから最低責任は果た
したが、いまひとつピリッとしなかった。特に鶴竜戦の負
けはいただけない。引退寸前の力士のようなもろさだっ
た。10勝5敗の鶴竜は横綱の実力がないのではと思われ
てもしかたがない。横綱にふさわしい量の稽古と何を求
めて稽古するという質の面から稽古を見直さないと、低
迷は続く。9勝の稀勢の里は弱くなった。もろくなった。
4勝の豪栄道に大関の実力はない。相撲は弱弱しく見る
に忍びない。大関途中休場の照ノ富士は横綱が遠ざかっ
た。勢いは失われた。来場所は出直し的再スタートにな
る。
160123十四日目幕内 920
<14日目 鶴竜にあっさり負けた日馬富士>
 
★関脇以下の上位力士で目に付いたのは
勝ち越したのは2人。嘉風と宝富士でともに8勝だった。
いかに上位で勝ち越すことが難しいか証明している。嘉
風は3場所連続上位で勝ち越しているから大変な実力者
である。

★三賞について
12勝で優勝琴奨菊に唯一土をつけた豊ノ島が殊勲賞を
受賞。しかし、敢闘賞とのダブル受賞でもよかったのでは。
正代が10勝で敢闘賞を受賞した。新入幕の敢闘賞受賞は
久しぶりである。正代を大物と見るむきがあるが、学生相
撲出身は相撲がある程度できあがっているだけに断言は
できない。

★他に目に付いたことは
休場者が多過ぎた。十両以上で全休が2人、途中休場が
4人、途中休場後再出場したのが3人である。インフル
エンザが休場理由というのは、広がらないかと懸念して
しまう。

★最後に場所を採点すると
マイナス面はあったが、琴奨菊の初優勝が大きく作用し
て75点。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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