国技館では入場すると手荷物検査が待っていた。「天覧
相撲ですか」と聞くとそうという返事だった。昭和天皇
のときは幕内の土俵入りからご覧になっていた。その土
俵入りは通常とは異なっている御前掛かり土俵入りだっ
た。御前掛かり土俵入りを見たことがないファンにとって
はぜひ見たいところだが、天覧相撲は後半戦からであ
はぜひ見たいところだが、天覧相撲は後半戦からであ
った。
その中で物言いのつく相撲が2番あった。最初は大関稀
勢の里対何かを仕掛けてきそうな安美錦戦で起こった。
稀勢の里が勇んで出て行くところを安美錦がまわり込ん
で引き落とした。勝負は微妙だが、安美錦のほうが有利
に見えた。物言いがついたが、安美錦が井筒(元逆鉾)
審判長の上に落ちたこともあり、すぐには土俵に上がれ
なかった。おまけにビデオ室からの連絡がはいりにくく
なったのかのように見える事態のため協議時間がかなり
かかった。
その結果、取り直しになった。2度目、安美錦は思い切
った変化に出た。稀勢の里は大きく泳いだ。つかさず安
美錦が攻めたため稀勢の里は体勢を立て直せず、倒され
た。稀勢の里は平幕相手に2度負けたことになる。日本
人優勝出るとしたら、最有力なのが稀勢の里と言われて
いる。だが、これでは前途不安と言わざるを得ない。
白鵬対勢戦。白鵬は勢を攻めきれない。まわり込んで活
路を求めんとしたが、自身もバランスをくずすというサ
ーカス的相撲になってしまった。白鵬の足が出たか否か
で物言いがついたが、足は出ておらず、白鵬の勝ちとな
った。白鵬の相撲に異変が起こっているのか、あるいは
ワンオブゼムに過ぎないのか、今後を注視していきたい。