大相撲

朝青龍 忘れえぬ大勝負

2015年9月6日

思わずはなった技が決まり手のではイメージできぬほど
ダイナミックだった。千秋楽の横綱同士の相星決戦は、
力が入る大勝負となった。こんな展開、最近ではあまり
見かけなくなってきた。上記の立役者は横綱朝青龍。場所
は2008年一月場所である。しかも朝青龍にとってこの場
所は通常の場所ではなかった。2場所出場停止後の場所
だった。その背景には次の事件があった。

話は2007年の7月まで遡る。白鵬は新横綱として名古屋
にのりこんできた。朝青龍は先輩横綱としてこれを迎え
うち、14勝1敗で優勝した。ところが、優勝しながら肘
の損傷・腰痛・疲労骨折などで夏巡業を休場することに
なった。そこまでならどうということはない。

問題はその直後に起こった。夏巡業を休んでおきながら
モンゴルでサッカーをしていたのだ。元気はつらつヘッ
デングまで披露していた。この様子が7月25日、日本の
テレビに映されたのだ。

こうなると協会と世間の見方は変わった。
1.横綱は協会の看板。そもそも土俵にあがれなくても
巡業には同行すべきだった。
2.懸賞金がないなど本場所に比べると見入りの少ない
巡業を避けたかったのではないか。
3.そのため仮病を使ったのではないか。

一転夏巡業休場に疑惑が浮上してきたのだ。8月1日、
相撲協会は以下の処分を決定した。
1.出場停止2場所
2.その間(十一月場所の千秋楽終了まで)謹慎
3.減俸30%4ヶ月
謹慎といっても高砂部屋で稽古することは許された。

だが、朝青龍は自宅マンションに閉じこもりになった。
メディアが追跡したが、なかなか姿を見せなかった。そ
のうち朝青龍は鬱的状態に陥ってしまった。協会が派遣
した精神科のドクターの診断により、精神障害と診断さ
れた。そのため療養ということで8月25日、モンゴルへ
帰国することになった。この間メディアがモンゴルまで
追いかけたが、朝青龍の姿はなかなかキャッチできなか
った。

十一月場所千秋楽後謹慎は解除された。11月30日に朝青
龍は来日して謝罪会見を行なった。朝青龍の2場所出場
停止の間に優勝したのは横綱2場所目、3場所目の白鵬
であった。こうした事情の上に2008年の一月場所が開催
されたわけである。

この場所、朝青龍は2日目稀勢の里に不覚をとったもの
の、その後は快調に飛ばして白星を積み重ねた。こうし
て迎えた13日目大関琴光喜と対戦した。
朝琴

このとき朝青龍は出てくる琴光喜の出足を利用し、回り
込みながらはなった技は単なる下手投げではなかった。
的確な表現を使うならそれはダイビングアンダースルー
ともいうべき技だった。こんなダイナミックな下手投げ
は今までもその後も見たことはない。

千秋楽、白鵬・朝青龍の東西の両横綱が1敗の相星決戦
というこれ以上ない舞台ができあがった。復活場所優勝
を飾るか朝青龍。朝青龍不在の土俵を守ってきた白鵬か。
激突の一瞬が来た。
白青

真っ向からの右四つの力勝負に観客は息をこらえて見据
えた。すごい相撲展開になった。両者一歩も引かない。
朝青龍が吊りにいかんとする。吊り切れない。その瞬間、
白鵬の上手投げが決まった。惜しみない拍手が館内に響
いた。大相撲の醍醐味に満足した場所であり、千秋楽だ
った。
080127千秋楽幕内後半ー3番 473
 <白鵬6回目の優勝>

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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