先場所苦労に苦労を重ねてやっと逸ノ城に勝利した鶴竜。
この日はそのときの再現には至らずあっさり鶴竜が勝利
した。逸ノ城は工夫も抵抗もなく土俵を割った。鶴竜の
鋭さというより、逸ノ城のもろさが目立った一番であった。
今場所の逸ノ城は鶴竜戦に限らず、気になる点が多い。
前日の白鵬戦は左上手が取れず棒立ちであった。これでは
昨年の九月場所同様の体勢で左からおっつけるわけでも
右下手からゆさぶるわけでもなかった。
ない。どちらかというと相手の攻めを体重でこらえる
傾向がある。さしてもかいながかえるわけではない。体を
生かした相撲が少ない。典型的なのが立ち合いの変化である。
また、首をかかての投げは重心が高く気になる。
望むのは無理がある。どうしても新入幕の旋風のイメージ
が強いから必要以上に期待してしまう。豪栄道戦にみせる
まっこうからパワーでもっていく相撲を伸ばすことを
突破口にして取り組んでいただきたい。