新大関豪栄道は立ち合いから嘉風を果敢に攻め立て、東
土俵に詰めた。しかし、嘉風にまわりこまれ横につかれ
不利な体勢となって勝負あった。今の豪栄道には途中
までの攻めはよかったというのは何の励ましにもなら
ない。必要なのは1勝である。
過去に豪栄道以上に迷走した新大関がいる。1970(昭和
45)年大関に昇進した大麒麟である。大麒麟は早くから
大関候補と見られていた。しかし、ここ一番に弱く、
2度大関昇進のチャンスを逃していた。そして3度目で
チャンスをものにしてようやく大関に昇進した。
チャンスをものにしてようやく大関に昇進した。
ところが新大関の場所の序盤戦何と1勝4敗の成績で
スタートしたのである。ところがここから6連勝し、
最終的には9勝6敗の成績で新大関の場所をのりきった。
2013(平成25)年七月場所で豪栄道自身も2勝7敗
から勝ち越した経験がある。
豪栄道の敵は自身の内にある。膝の負傷・巡業不参加と
いう不安。勝ちたいというあせり。負けたという屈辱と
気持ちの整理がつかないまま土俵にあがっている。大麒麟
や豪栄道の負けが込んでからの勝利に転じる例をあげた
のは、きっかけがつかめればそれができる地力があること
を明白にしたかったからである。
を明白にしたかったからである。
これからの豪栄道はよけいなことを考えずに、自分の
相撲を取ることに専念することである。勝利の扉は
開ける。
開ける。